アメリカの大学ってそんなに高いの?学費を払う家族の苦労話

    「年金から借り入れをしてくれたのだけど、大学に通う間、両親はホームレスになった」

    大学の費用を払い終わるまでには長い年月がかかる

    アメリカで子供を大学に入れるためには、莫大なお金がかかると、USのBuzzFeed Newsが伝えている。

    学生とその家族らは大学に行くために、退職金の積み立てから前借りしたり、親戚の家に引っ越したり、家を二番抵当に入れるケースもある。

    極端な例では、奨学金の資格を得るために、子どもの監護権を手放す親もいる、と7月29日にProPublicaが伝えている

    BuzzFeedコミュニティで大学の学費をどうやって払ったかを尋ねてみたところ、たくさんのコメントが寄せられた。

    「子供の大学費用くらい捻出できるという人は、残念ながら当事者の現状を知らない」「『頑張れ』っていうけど、頑張るだけではどうにもならないことがある」など、リアルな声が続々と集まっている。

    2019年のアメリカにおいて、大学に行くのはひとつの選択肢にすぎず、いまだに特権だ。だが、このような話を聞くと、一体大学はどのくらい家族に犠牲を強いるのかという疑念が生じる。

    1. 母親が私たちを連れて実家へ出戻った。

    これは母親の自尊心に大打撃だったと思う(40歳過ぎて両親の家へ引っ越し)。

    でも家賃で払っていた分を節約して、学費に回すことができた。

    —blnetsova

    2. 高校を卒業した夏に、アパートを出て、友人宅の地下に引っ越した。

    母親は2つ目のパートに出る必要があった。私も学費の一部に充てるように、パートで働いた。みんなで乗り越えられて誇りに思う。

    —andielazop

    3. 年金から借り入れをしてくれたのだけど、大学に通う間、両親はホームレスになった。

    4. 両親は退職基金からお金を引き出し、父親は傷痍軍人なので復員軍人局から障害補償をもらった。

    通っている間は、少なくとも子どもはみんなパートタイムで働き、補助金や奨学金をもらった(みんな成績はよかった)。父親は癌と闘いながらずっと働き、亡くなる数か月前まで働いていた。それでも学生ローンが2万ドル(約210万円)以上残った。

    —e4c2bf1527

    5. 母自身も、薬学の学校に通ったときに借りた多額の学生ローンを抱えていた。

    兄と私のために、母はペアレント・プラス・ローンから借り入れをしてくれたので、私たちは大学に行って、生活費や食費を払うことができた。母は、ものすごく長い時間、働いていた。

    —elizabethmorganw

    6. 父親は聖書学の学位のために組んだ自分の学生ローンでまだ苦労している。聖書学の方は、暗礁に乗り上げている。父親は私からもお金を借りたことがある。

    進学以外の道もあると父親に念を押され、慎重に大学を選ばされた。2年制のコミュニティ・カレッジに通い、それから低所得の学生でも借金せずに卒業できる大学へ編入した。

    —kateg44899cc54

    7. 親友の父親が庭師で、娘の美術学校の学費を払うために、夜は清掃員として働いていた。

    残念ながら2年で怪我をしてしまい、仕事をふたつとも失ってしまった。今では多額の借金を負い、父親はコールセンターで働き始めた。友だちはアートとは関係のない仕事に就き、つらそうだが、借金を返すために働いている。

    —khloebare

    8. 父親は週末はイベントのDJの仕事をしていた。

    結婚式や退職祝いのパーティとか。—gennaw2

    9. 両親が営む店の裏に住んで育った。

    10. 弟の中学の校長先生が、奨学金をもらえるように助けてくれた。

    母親はシングル・ペアレントで、弟ふたりは自閉症スペクトラム障害。

    支払いに追われる毎日で、支払いが滞ることもあった。大学に申し込んだとき、補助金の受給資格があったのだけど、ローンも組まないといけなかった。

    弟の世話をし、家族が生活できるように、時間もかなり取られていた。そこで弟の中学の先生が気づいてくれ、寮費と食事代を含む残りの費用すべてをまかなえる奨学金をもらえるように、大学に手紙を書いてくれた。先生にはものすごく感謝している。

    —chelseag4082a466f

    11. 母親が教科書代を払ってくれ、叔父が学費のために毎学期1,000ドル(10万5千円)くれた。とても感謝している。

    肉体労働の下層中産階級で、何も持っていなかった。年金口座もない。

    学業と両立できる仕事をいくつかして、アメリ・コープの仕事もふたつ掛け持ちし、8,500ドル(約90万円)稼いだ。大学院に通う間は、自分と娘の生活を支えるために、インターンシップの他に仕事をふたつ掛け持ちした。

    それでも家のローンよりも、学生ローンで借りている金額の方が多い。学生ローンは、115,000ドル(1200万円)借りている。

    —jessicab45bac3e5e

    12. 祖母が大学の費用をかなり出してくれた。

    13. 学費の支払いを手伝うのに、母は祖母からの遺産を使った。

    学生時代はずっと働き、学校からはかなりの額の奨学金をもらった。

    2017年に卒業したときには、ローンの額が32,000ドル(約340万円)に達した。子ども4人分で計算して、全員を大学に行かせるのに、母は100,000ドル(1050万円)以上払った。そのほとんどは、母の退職金の積み立てと祖母の遺産で支払われた。

    —mmrousse

    14. 母親の生命保険で学士を取った。

    母は臨床看護師で、父はソーシャル・ワーカーだった。行きたい州立大学を見つけたのだが、大学に行くころに母親の乳がんが再発し、母は亡くなってしまった。

    —stswinde

    15. 父が私の学費を払えたのは、高校3年のときに母が亡くなり、母の保険金が入ったから。

    ラッキーだったね、と言われるたびに、お金よりも母が生きていてくれた方がよかった、と答えている。

    —facebook_1333957856619811

    16. 父親が仕事場の事故で亡くなった。

    子供が26歳になるまでの学費をすべてを払う、というのが示談条件の一部だった。

    —lisad25

    17. 家族で9か国に駐在した。

    18. 信託資金が少しあって助かったが、それでも27,000ドル(約280万円)くらい借金した。

    祖父が、30,000ドル(315万円)ほど残してくれた。それでも、最初の1年半分しか払えなかった。

    それ以降は、週末は働いて、使えるローンや補助金はすべて使った。できるだけ節約したけど、それでも27,000ドルくらい(約280万円)借金した。

    収入の範囲で生活し、借り換えをして、まとめられるものはまとめたが、卒業して6年経った今も、あまり返済できていない。

    —unhaz914

    19. 父親は組合に入っていて、1日2時間残業できるように、少し遅いシフトで働いた。

    給料日には残業代を貯金してくれた。自慢の家族で、本当に感謝している。

    —rachelsporyh

    20. 母は仕事を3つ、父は2つ掛け持ちしていた。私も2つ掛け持ちした。

    7つの仕事の収入を合わせても足りず、クレジットカードや民間ローンからの借り入れがまだ残っている。—thelmanaranjor

    21. 両親は18年間、貯金をしていたのだが、貯蓄は完全に尽きた。

    学費を払うのに、父親は通常よりもずっと長時間働いていた。

    —emmaboeke

    22. ローンで借りて、補助金をもらって、3つ仕事を掛け持ちした。

    それでも60,000ドル(630万円)の借金がある。

    —chelseah30

    23. 10,000ドル(105万円)の民間ローンを組むのに母親が連帯保証人になってくれ、私が返済できるようになるまでの3年分の利息は両親が払ってくれた。

    最後の学期は、学資援助の資金が足りなくなり、父親が退職資金から3,000ドル(約32万円)出してくれた。

    —a4d45ce3e2

    24. 1990年代半ばに卒業した。15,000ドル(約160万円)という大特価で大学を卒業した人のひとりだと思う。

    父親は石油関係の技術者で、肉体労働者。母親は、公務員。父親は勤続20年だったのだが、休暇を現金化したり、会社の株を売ったりして、学費を全額払ってくれた。

    —freakinloon

    注:投稿は、長さや明瞭さのために、編集してある。

    (1ドル=105円)

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan