世界一高いウォータースライダーに乗った少年の首が切断された。起訴は取り下げ

    2016年カンザス州のシュリッターバーン・パークの世界一高いウォータースライダー で、少年の首が切断される事故が起きた。

    カンザス州の地元メディアによると、同州の裁判所は2019年2月、少年の首が切断される事故が起きた世界一高いウォータースライダーの所有者の起訴を、取り下げた。

    2016年、当時10歳だったカレブ ・シュワブ君は、高さが約50mあるウォータースライダー「フェアリュクト」に乗った。そこで事故が起き、死亡した。

    カレブ君は、カンザス州のスコット・シュワブ下院議員の息子だ。カレブ君の乗ったボートは、ウォータースライダーの設備に衝突した。同乗した二人の女性も重傷を負った。

    2018年3月に大陪審はシュリッターバーン・パークの運営者を、少年の死を巡って起訴した。乗り物の危険性を認識していたまま運営していたと判断した。

    しかしKansas City StarFox 4 KCによると、ロバート・バーンズ裁判官は、パークの運営者への起訴を取り下げた。「修復不可能な痕跡」と誤解を生む証拠が大陪審を左右させてしまう可能性があったと述べた。

    「不法な行為や不正確なことによって大陪審が影響を受けて、それが起訴につながったのではないかと裁判所はかなり疑っている」「とても単純だが、被告らはプロテクションや、カンザス州の法律に遵守する、根本的な妥当性を得るための適正手続を取れていなかったのだ」

    疑惑の証拠の中には、旅行番組で乗客の危険性について、被告の弁護士が言うところでは、誇張して述べられていたことなどもあった。

    「ビデオをみたが、裁判所は証拠として認められない」「エンターテインメントの目的でデモンストレーションが行われており、実際のデザインや設計と異なる」とバーン裁判官は述べた。

    被告の弁護士は、専門家の証言についても批判した。パークの運営者が米国材料試験協会の基準を無視したとされているが、その基準はウォータースライダーの建設時には州の法律で求められていなかった。

    さらに専門家はテキサス州の別のシュリッターバーン・パークの従業員の死についても言及したが、バーン裁判官はこの件と「全く関係ない」とした。

    2018年3月、シュリッターバーンの共同所有者のジェフ・ヘンリー、前オペレーション・ディレクターのテイラー・マイルズ、デザイナーのジョン・スクーリーの各被告、そしてヘンリー&サンズ建設会社株式会社は、大陪審によって第二級殺人で起訴された。マイルズとパークのマネージャーは過失致死でも起訴された。

    マイルズ被告への起訴状には「重大で言い逃れようができないような、重傷を負う危険、もしくは、死の危険をもたらしていた」ため、子供の死は「予測可能だった」とされた。

    「『フェアリュクト』は設計で危険な欠陥がたくさんあった」「しかし、もっとも明らかな危険な欠陥は、ある方法で乗り込むと空中に浮き、乗客に怪我もしくは死をもたらすということだ」と起訴状で読まれた。

    2019年2月23日の判決では、バーンズ裁判官は事件の悲劇的な本質を指摘した。

    「起訴された出来事が悲劇であることは分かっている」「若い少年の命は事故で奪われ、家族、友人達、カンザスシティ、それ以上の人々が悲しんだ」とバーンズ裁判官は述べた。

    ヘンリー&サンズ建設会社株式会社のジェフ・モリス弁護士はバーンズ裁判官に、「私たちの主張に同意してくれたことに満足している」と述べた。

    「私たちは一貫して、起きた悲劇は犯罪ではないと述べてきた」とモリス弁護士は語った。「私たちは、これが犯罪としては成り立っていないと指摘し、裁判所が同意した」

    カンザス州のデレック・シュミット司法長官は判決について疑問を抱く。裁判所の判決には「がっかりとした。賛成できない」「ベストな判断が下せるように、証拠を洗い直す」とBuzzFeed Newsに述べた。

    シュリッターバーンの広報のウィンター・プロサピオ氏はBuzzFeed Newsに「全ての起訴について取り下げられた、今日の判決を嬉しく思う」と述べた。

    「私たちを応援してくれた励ましやサポートに感謝している」と語った。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:藤原哲哉