米歌手のアリアナ・グランデさんは2日、米ファストファッション大手のフォーエバー21を提訴した。グランデさん側は、同社とコラボレーションの協議を進めていたが、2018年後半から2019年初頭にかけて協議が頓挫し、その後同社がグランデさんに酷似したモデルを使用したと主張している。
カリフォルニア州に提出された訴状の中でグランデさんは、フォーエバー21が同社の「衣類およびアクセサリー類」をグランデさんに宣伝してもらいたいと考えていたと述べている。
しかし提携は成立しなかった。フォーエバー21が「グランデさんの名声に見合った公正な市場価格の支払い」を望まなかったため、同社の申し出を断ったとグランデさんは説明している。
グランデさん側によると、交渉の破談を受けてフォーエバー21は、グランデさんの写真を無許可で使用してのマーケティング活動を開始。さらにグランデさんに酷似したモデルを起用し、あたかもグランデさんが関与しているかのような誤解を与えたという。
訴状の中でグランデさん側は、グランデさんの曲「7 rings(セブン・リングス)」のミュージックビデオから取られた画像(写真左上)がフォーエバー21のインスタグラムに投稿されたことに言及している。別の画像(右上)では、同曲のビデオでグランデさんがしていた髪型や髪飾りをした、グランデさんに酷似したモデルが使われている。
グランデさんの弁護士チームによると、肖像権を使用することで生じるグランデさんに支払うべき金額を支払わずに、フォーエバー21は「肖像権を単純に盗用し、同社のウェブサイトやソーシャルメディアで主に2019年1月と2月、誤解を与えるようなキャンペーンを展開」。当時リリースされたばかりのグランデさんのアルバムのヒットに便乗した。
グランデさん側は合計で1000万ドル(約10億6000万円) の損害賠償を求めている。
フォーエバー21の広報担当者は3日午後、BuzzFeed Newsにメールで寄せた声明文の中で、「フォーエバー21は会社の方針により、係争中の訴訟にはコメントしない」と述べた。
「とは言え、申し立てには異議を唱えるが、当社はアリアナ・グランデさんの大ファンであり、過去2年にわたり彼女のライセンス会社と一緒に仕事をしてきた。互いに納得できる解決策を見つけられること、そして将来また一緒に仕事を続けられることを望んでいる」と加えた。
なおフォーエバー21は、グランデさんとの訴訟騒ぎの1週間前には、破産申請を検討していることが報じられていた。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:松丸さとみ / 編集:BuzzFeed Japan