マーベルが人気コミックライターを解雇 理由はTwitterでの下品な言動だった

    「今日、電話がきました。解雇されました。私のツイートによるネガティブなこと、下品なことが理由です」

    10月12日、「スター・ウォーズ」の小説家でありコミックライターであるチャック・ウェンディグさんが、マーベルコミックスから解雇されたことを公表した。理由は、同氏のツイッターでの書き込みが下品だと同社が見なしたからとのことだ。

    ブレットカバノー氏が米連邦最高裁判事に指名された後、ウェンディグさんは罵り言葉を交えた長い抗議文をオンライン上で始めた。

    一連のツイートでは、ミッチマコーネル氏などの共和党上院議員について、「糞まみれのブーツでも喰ってろ」と書いたり、その他にも「冷淡なファック野郎、逸脱した糞ったれ、(中略)執念深く了見の狭い醜い奴」など罵倒する言葉を書いたりしていた。

    12日の午後に投稿され、後に自身のブログにまとめられた別のツイートで、解雇は、コミックをよりインクルーシブにしようとするライターに嫌がらせをする「コミックスゲート」の動きの勝利と考えられるようだ、と同氏は指摘している。

    Via Twitter: @ChuckWendig

    「今日、電話がきました。解雇されました。私のツイートによるネガティブなこと、下品なことが理由です。冗談ぬきで、編集者のマークにそう言われました。政治発言が多すぎ、下品すぎ、ネガティブな書き込みが多すぎるそうです」

    「基本的には、私が礼儀正しくなかったから」

    最初に「コミックスゲート」のターゲットにされたのは、『スター・ウォーズ アフターマス』でLGBTのキャラクターを登場させたからだ、と同氏は話している。

    この本はすぐにオンライン上で一部の人からネガティブな評価を受け始め、地元警察へ通報が必要になるあらゆる類いの嫌がらせに直面したと同氏は書いている。

    Some of it was bot stuff, obviously, or sock puppets, but some of it was pretty creepy, and very personal. I didn't call a lot of it out or even highlight, but it was there, a sort of... constant background noise.

    Via Twitter: @ChuckWendig

    「ものすごい量の嫌がらせを受け始めました。何年も続く嫌がらせです。地元警察に連絡して、特殊部隊の派遣を要請するような嫌がらせがあるかもしれないと伝えたこともあります。その他、Twitter、Facebook、Reddit、YouTubeなどネット上の至るところで嫌がらせを受けました」

    「明らかにbotを使っているものもありましたし、別アカウントを使う人もいました。とても気持ちが悪いものもありましたし、非常に個人的なものもありました。読み上げたり、強調表示したりはしませんが、常にバックグラウンドノイズのように存在していました」

    嫌がらせはエスカレートして行ったが、「スター・ウォーズ」のプロジェクトは継続し、コミックも書き始めて仕事は順調だった。

    Of course, the harassment continued – and it got worse again when TLJ came out. Which I’m sure is no surprise to anyone who has ever tweeted, “Hey, I really liked THE LAST JEDI!” That’s really when I started to see lots of YouTube videos and stuff about me and it was…

    Via Twitter: @ChuckWendig

    「それでもなお、事態は良好で、マーベル、『スター・ウォーズ』の仕事ももっとしたいし、いつかマーベルとSWの合作などもできたらいいと思っていました。コミック自体は自分の本業ではありませんが、慣れてきていました」

    「もちろん、嫌がらせは続きました。そして、『最後のジェダイ』が出たときに、嫌がらせは悪化しました。『最後のジェダイ』最高! とツイッターで呟いたことがある人であれば、分かると思いますが、このときからYouTubeの動画や、自分について書かれていることを読み始めて……」

    12日、『Shadow of Vader』シリーズのリリースが予告されてすぐに、SNSでのプレゼンスを理由に突然解雇された。

    Today I got the call. I’m fired. Because of the negativity and vulgarity that my tweets bring. Seriously, that’s what Mark, the editor said. It was too much politics, too much vulgarity, too much negativity on my part.

    Via Twitter: @ChuckWendig

    「5日、『SHADOW OF VADER』の発表があって、みんなとてもワクワクしていて、万事が良好だと思っていました。何の問題もないと思っていて、ネット上でもいつも通りに振る舞いました。でも、残念ながら、そうではなかった」

    「今日、電話がきました。解雇されました。私のツイートによるネガティブなこと、下品なことが理由です。冗談ぬきで、編集者のマークにそう言われました。政治発言が多すぎ、下品すぎ、ネガティブな書き込みが多すぎるそうです」

    Twitterで「政治発言が多すぎ、下品すぎ、ネガティブな書き込みが多すぎる」と編集者に言われたとはっきりと書いている。

    事情に詳しい人によると、オンライン上での下品さが解雇の理由であることは正しいが、政治的見解が理由で解雇されたというのは正しくない、とのことだ。

    ウェンディグさんが推測していたように、「コミックスゲート」の人達や極右の同調者の人達は、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督ジェームズ・ガンさんが好ましくないツイートを理由に解雇されたのと同様に、同氏の解雇を自分たちの勝利と受け取っている。

    一方で、マーベルコミックスがまだ雇っている他の人達を引き合いに出し、ウェンディグさんを擁護している人もいる。

    マーベルコミックスの広報担当者は、ウェンディグさんの解雇について公でコメントはしていない。


    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan