ワイキキでの忘れられない思い出。伯父が亡くなる直前に体験した出来事に感動の嵐。

    「伯父は帰国してから幾度となくこの話をし、本当に穏やかな顔で旅立っていった」

    人の無理解と無関心が一番の障がいになる。

    漫画を通じて「障がい」とは何なのかを問い直したいーー。そうして描かれた作品が話題です。

    脊髄を損傷した「叔父がハワイに行った時の話」です。

    急に声を掛けてきた現地の人たちに怖気づいた叔父。でもその後に……。

    ふたりは海水浴をサポートしてくれたのです。去り際に彼らが言った言葉は「Pleasure」

    死期が迫っていた伯父にとって、最後の旅。穏やかな顔で旅立っていったといいます。

    作品を発信したのは、元々は医療職に従事され、現在漫画家として活動されているきよまろ@4コマ漫画さん。

    漫画を通して、ほんの少し心が軽くなったり、安全で安楽で効率が良く、誰かの生きる希望になる優しい世界を夢見て日々ペンタブと向き合っているそうです。

    前職の経験から、人の命や死生観、障がい、ノーマライゼーション(障がいのある人もない人も同じように生活ができること)などに着目する事が多く、伯父のエピソードを伝えたいと思っていたといいます。

    BuzzFeed Newsの取材に、叔父のことをこう思い出します。

    「ハワイは南の楽園ですが、それは宗教のみならずハワイアンそのものの考え方や気質が素敵で、伯父もそのスピリッツを愛していたのだと思います」

    ハワイは、大学で英語を学んだ伯父が初めて訪れた外国でした。その経験から旅行添乗員の職に就き、結婚式もハワイで挙げたそう。

    何かの節目のたびに赴き、思い出の地として心に残り続け、伯母が亡くなる前、最後に夫婦で旅行した地もハワイでした。

    きよまろさんは、そんな叔父をハワイで介助してくれたふたりに対しての思いをこのように話します。

    「2人のハワイアンに感謝を伝えられたらと思うところではありますが、ハワイアンにとっては一緒に遊んだくらいの認識なのかも知れませんし、そうであって欲しいと願っています」

    「『障がい者になにかをやってあげてる』という認識ではなく、『足りないところを補いながら一緒になって遊ぶ』『自分たちの愛する土地を満喫して欲しい』という特別ではないその感情こそが本当の意味でのノーマライゼーションだと思い、美しいのだと私は感じております」

    そのうえで、きよまろさんは「優しいのは漫画の2人ではなく読み手にあると私は思います」と語ります。

    Twitter: @sobomiyako98

    「多くの方からいいねを頂いたのは、誰でも『良心』というタネを持っているから。ただ日々の忙しさに流されていて、発芽できずにいた所に、今回の漫画がそのタネを発芽させる水の様な役割をしたのではないかと思っています」

    「漫画の中のハワイアンは素晴らしい人ではありますが、でも誰しも彼らの様に『優しくなりたい』『そうでありたい』『自分も良い行いをしよう』と思いやる一人一人の心がこれだけの反応になったのだと思うのです。優しいのは漫画の2人ではなく、読み手にあると私は思います」