視覚過敏の高校生を助けた「一冊のノート」がTwitterで話題

    白いノートで目が痛い…こんな「視覚過敏」の悩みをもつ高校生が、Twitter上で声をあげ話題になっています。

    「グリーンノート」を知っていますか?

    グリーンノートとは、通常のノートに利用される白い紙の代わりに、光の反射をカットする緑色の紙を利用することで、目の負担を軽減するように設計されたノートです。

    普段、白いノートを使っていてなんの支障もない人にとっては、あまり何が特別なのか想像しづらいこの商品。しかし、このノートに助けられている人がいるのです。

    白いノートで目が痛い……。それは「視覚過敏」の症状です。

    光の刺激に脳が過剰に反応し「目が痛い」と感じてしまう症状は、「視覚過敏」と呼ばれており、主に発達障害を持つ人などに見られます。

    この「視覚過敏」の悩みをもつ高校生が、Twitter上で自らの経験と想いを語り、話題を呼んでいます。

    【拡散希望】 視覚過敏の私から、お願いです。 拙い文章ですが、どうかよろしくお願いします。 #拡散希望 #拡散希望RTおねがいします #発達障害

    視覚過敏の症状の辛さと、「グリーンノート」の大切さを訴えるこのツイートは、3万3千以上リツイート、3万8千以上いいねをされ話題となりました。

    白いノートで目が痛い…悩みを抱えていた私に、母が買ってきてくれたのは「グリーンノート」


    私は視覚過敏があるため、白いノートをあまり使いたくありません。ノートの白が光を反射し、鉛筆の線が見にくくなるからです。 幼い頃から顔を近づけて影を作らないと文字が書きづらく、また、良いノートであればあるほど紙質がよく綺麗な白で、目が痛かったのを覚えています。

    そんな中、中学生のときに母が紙が緑のカラーノートを買ってきてくれ、私はその見やすさに驚きました。目が痛くならないし、文字は見えるし、一気にまとめ買いしたほどです。

    しかし、高校生になってからそのノートを売っていたお店は潰れてしまい、今は買い溜めていたノートを使っています。しかし、私はこのノートのおかげで板書が楽になっていたので、ストックが尽きそうな今とても困っています。

    お店が閉店してしまい、なかなか見つからないノート…



    通販で売っていないかと調べましたが、カラーノートはかわいいリングノートなどが多く、学校で授業用に使えるものはありません でした。今でも文具屋に行くたび探していますが、なかなかありません。
    グリーンノートは私のような視覚過敏の人のためだけではなく、症状のない妹も「目が 楽、使いやすい」と言っていました。なので、もしもこのツイートをノートを取り扱っている会社の人が見てくれたなら、ぜひグリーンノートを作って販売してほしいです。私は絶対に買いますし、目に優しいので普通の人にもよいと思います。ソースは不確かですが、緑のノートは集中力が上がるというのも聞いたことがあります.....。

    ここまで見てくださって、ありがとうございます。どこかの会社が、グリーンノートを作ってくれることを願っています。

    どうか「グリーンノート」を作って販売してほしいーー。そんな高校生の願い。

    このツイートがきっかけで動き出したのが、ロフトの公式アカウントでした。

    抱えていたお悩みが、雑貨との出会いで変わる、こんなに嬉しい事はありません。表紙のカラーに合わせた紙色のノートを弊社もお作りしてますのでご紹介しますね→https://t.co/oVKaMjPD4P その他もお取扱いできるか、弊社バイヤーと至急確認しております。お悩みの解決に繋がりますように。 https://t.co/30EgjJf9q7

    ふ〜ふさんのツイートを受け、ロフトの公式アカウントが「弊社バイヤーと至急確認しております。お悩みの解決に繋がりますように」と反応したのです。

    そしてなんと、販売が決定。

    \ロフトで販売します!/ お悩みツイートを拝見し、確認を進めていました、光の反射をカットする目にやさしいノート #グリーンノート。まずはロフトネットストアにて、早ければ今週中より販売します!サイズもB5・A5・B6・B7・A7と豊富な展開。もう少々お待ち下さい。 https://t.co/VwxAoeBAJg

    たった数時間後。ひとりの当事者の声が「グリーンノート」の販売に繋がったのです。

    BuzzFeed Newsでは、このツイートをしたふ〜ふさんに取材しました

    今回このツイートをされた高校生のふ〜ふさんは、ADDとアスペルガー症候群の症状をもっています。

    「今は支援学校ではなく普通の学校に行っていますが、もともとは重度の発達障害をもっていました。行動療法や投薬のおかげで、『ちょっと変な子』くらいには落ち着いてます」

    こう話すふ〜ふさんは、白いノートに光が反射して目が痛いという症状以外にも、「校庭の砂が光を反射してランニングのとき目が痛い」「同じ理由で、学校の白い渡り廊下が辛い…」などの症状があると語ります。

    ーー今回ツイートをするに至った経緯をお聞かせください。

    数年前からグリーンノートを見つけられず困っており、問い合わせるのは少し気恥ずかしかったこと、ツイッターなら拡散した分だけの需要があると証明できると考え、SNSという手段を取りました。

    ーーノートの例以外に、視覚過敏であることで他にも日常生活において苦労された経験はありましたか?

    校庭の砂が光を反射してランニングのとき目が痛い、同じ理由で学校の白い渡り廊下も辛いですね…。通学中眩しいのは、帽子かぶってマシにはしてます。

    ーー今回のふ〜ふさんのツイートがきっかけで、文房具関連の数社がグリーンノートを入荷したり、視覚過敏の方の意見を聞こうといった動きが出たようです。このような反響に対してどう感じておられますか?

    とてもありがたいと思っています。期待しつつも、まさか公式アカウントが動いて下さるとは思っていなかったため本当に嬉しいです…。このように、企業と消費者が繋がれる世の中で本当に良かったと思います。

    「こうして発信することで少しずつでも生きやすい世の中になれば」

    ふ〜ふさんは、ご自身と同じような症状をもつ方に向けてこう語ります。

    「自分で工夫したり、こうして発信することで少しずつでも生きやすい世の中になれば最高だなって思います。そのために、自分の『こうしたほうがいいよ!』って考えは発信しまくったらいいと思います」