あるドイツ人学生が授業で人権映画を制作したら中国から追放されたと語る。

    彼はビザの更新手続きをしていたところ、10日以内の国外退去を言い渡された。

    北京の清華大学でジャーナリズムを専攻するドイツ人大学院生、ダーヴィト・ミサルさん(24)は、中国政府が彼の学生ビザの延長を拒否し、強制退去を命じられたと語った。

    8月11日、ミサルさんは中国・北京を発つ前にBuzzFeed Newsの取材に応じた。

    「学生ビザでカバーされていない活動をしたので、来年の学生ビザは与えられないと、当局が言ってきたのです」と話した。

    その活動とは、講義のプロジェクトで、中国の人権派弁護士の迫害に焦点を当てた映像制作だという。

    ミサルさんは、6月に学生ビザの更新申請を出したものの、当局から「さらに調査を行う」必要があると、通常10日かかる手続きを2カ月近くに延長されたという。

    8月になってからパスポートを取りに来るよう呼び出しを受けたが、移民局に到着すると、10日以内に中国から退去するよう伝えられた。

    なぜ申請が拒否されたのか、ミサルさんが具体的な説明を求めると、「自分がやったことはわかっているはずだ」と言われたと語った。

    交換留学の奨学金を利用して清華大学で学んでいたものの、学位を取得することはできなくなった。

    「このようなことが起こる可能性があることはわかっていたとはいえ、何といえばいいのか、言葉を失いました」と、ミサルは電話インタビューの中でBuzzFeed Newsに語った。

    「とにかく言葉になりませんでした」

    Bin jetzt offiziell ein "ausgewiesener" China-Experte (Wortspiel!)... Didn't get a new visa, probably because of doing a homework about human rights lawyers. Have to leave China until Sunday. https://t.co/LNwzEERgiH

    ミサルさんは、大学の講義の一環として、中国の人権派弁護士に関して制作した映画が原因で、中国から強制退去させられたのだと考えている。

    人権派弁護士のトピックは、弁護士やその家族に関するいくつかの記事を見て興味を持ったと説明している。また、講義のプロジェクトでトピックを選ぶ際、教授に伝えたという。

    教授の承認を得た後、ミサルさんは弁護士にインタビューを始め、そのうちの1人、湖南省の藺其磊さんのもとを訪問して撮影をした。

    5月、ミサルさんは藺さんに同行して、中国中部地域で最も人口の多い都市、武漢で拘留されている活動家と面会。

    刑務所の外で待っていると、2、3人のパトカーが急に彼の前に現れた。6人から8人の警察官がミサルさんに近づき、同行するよう求められたという。

    ミサルさんは武漢の拘置所で3時間ほど拘束された。警察はパスポートを取り上げ、電話をかけていたという。

    「責任者に電話をしていました。なぜ自分をここに連れて来たのか、理由は教えてもらえませんでした」と語るミサル。

    結局、ミサルさんは数時間後に釈放されたが、北京に着くと、大学から連絡を受け、指導教官が面会を求めた。

    指導教官は、大学側が彼の選んだトピックを好ましく思っていないとミサルさんに告げ、今後は繊細なトピックの追及は避けるよう求めた。

    しかし、ミサルさんは撮影を続行し、ドキュメンタリー映画を制作した。

    個人のウェブサイトにも投稿し、中国の複数の人権派弁護士とのインタビューや、ある拘束された弁護士の妻が行った100km歩行を取り上げた。


    ミサルさんの強制退去は、中国政府に批判的であったり、ここ数カ月の間に繊細なトピックに焦点を当てたりする外国人の学者に対して、中国政府が圧力を強める中で起こった。

    7月にも、北京大学HSBCビジネススクールで教鞭をとっていたアメリカ人のクリストファー・バルディング教授が、中国から出国することを発表した。自由な議論に対する締め付けの強化により、安全ではないと感じたとブログ記事で言及。

    中国の国営メディア・環球時報が発行した社説で、ミサルさんの退去が中国とドイツの間にある政治と法に関する社会的認識の根本的な差を反映していると述べた。

    さらに、中国政府は法に基づき中国の規則に従わない外国人を単に処理しているだけだと論じ、政府の決断を正当化した。

    「彼の行動とメディアに対する説明は、中国の政治と法律を理解していないことを示している」と、社説は述べている。

    「中国の文化的価値に深く根付いている自意識や謙虚さも、微塵も身に着けなかったのである」

    BuzzFeed Newsは北京の出入国管理局、清華大学留学生課、清華大学の新聞と伝播学院にコメントを求めた。

    急遽中国から出国することとなったとはいえ、ミサルさんは今後も中国の研究を続けたいと考えている。中国はたくさんの側面のある興味深い国であり、魅了され続けることには変わりないと強調している。

    飛行機に乗り込む前の12日、去るのは悲しいとTwitterに投稿した。

    Soon my China story will have an end. Leaving China in one hour. Sad to be forced out of this country which I still like because of all the wonderful people leaving behind. https://t.co/LQiVlPjvF7

    彼はドイツに滞在する計画で、今後は台湾で勉強するかもしれないという。中国に戻り、ジャーナリストとして働ける機会を得られることを、今でも望んでいるものの、望み薄だと考えている。

    この記事は英語から翻訳されました。