フロリダの小学6年生が「忠誠の誓い」への参加を拒んだために逮捕された。
アメリカの公立小学校では、毎朝儀式として「忠誠の誓い」を行う。星条旗を前にして、「私はアメリカ合衆国の国旗に忠誠を誓います。そしてすべての人々に自由と正義が存する、分かつことのできない、神の下での一つの国家である共和国に忠誠を誓います」と生徒が唱える光景を見ることができる。
学校の声明によると、逮捕されたのはロートンチャイルズ・ミドルアカデミーに通う生徒で、事件が起きたのは2月4日のことだった。
校則を確認すると、本来子どもたちは「忠誠の誓い」へ参加することは義務付けられていない。
学校側は当時の状況を「残念ながら臨時教員はこの校則を把握していませんでした。この生徒と教員は口論となり、学校に駐在している警官が教室へと駆けつけました」と説明している。
生徒を逮捕することを決めたのは、その警官だったという。「学校の職員は誰一人として生徒の逮捕を望んだわけではありません」と声明で学校側は明言した。
地元メディアのベイニュース9はこの男子生徒(未成年のため氏名などは明らかになっていない)に対して学校が3日間の謹慎処分を下したと報じている。
BuzzFeed Newsは今回の件に関して学校、警察の両者へコメントを求めたが、現在までに回答は得られていない。
しかし、学校そして警察ともに彼が逮捕された理由は「忠誠の誓い」に参加することを拒んだためではないと主張している。
「彼は乱暴に振る舞い、教員や警官の要求に応じない状態が続いたため逮捕されました」と学校は語る。
「生徒が忠誠の誓いへ参加することを拒んだために、逮捕されたわけではありません」
ベイニュース9は臨時教員が提出した報告書に書かれていた内容を報道。そこには教員が男子生徒に立ち上がるよう求めた際に、アメリカ国旗は人種差別的でありアメリカ国歌は黒人に対する差別と発言したと記録されている。
報道によると「それほど嫌なら、別の国へ行ったら?」と臨時教員が発言したとされている。彼女に対し、男子生徒は「連れてこられたんだ」と答えた。
臨時教員の彼女自身も、キューバからアメリカへ移り住んだ過去を持つことを明かし、もしも必要だと感じればどこか別の場所へと移り住むと伝えた上で「これ以上、彼とこのやり取りを続けたくはなかったので、事務室へと連絡を入れた」という。
警察当局は「学校に駐在している警官と学生生活担当の教員が教室へ駆けつけ、生徒に落ち着くよう呼びかけました」と当時の状況を説明した。
「学生生活担当の教員は生徒に教室を退室するよう、20回以上に渡って呼びかけていました」
教室の外で、男子生徒は「警官に連行される最中も妨害行為を続け、脅していました」と警察当局は語る。
生徒は学校の業務を妨害と公務執行妨害で逮捕された。
「今回の逮捕は教室での妨害行為を続けた彼の行動に基づくものです。教員を脅し続け、退室を求める声にも抵抗を続けていました」
今回逮捕された生徒の母親は、より良い方法で解決できたはずだと信じている。
「何が起きたのか、説明してほしいです。今回の出来事は逮捕という結末で終わるべきではありません」と地元テレビ局の取材に答えた。
今回の騒動に関った臨時教員はその後、学校を去った。
「今回の出来事を重く受け止め、この臨時教員がいかなる学校で勤務することを制限します」と学校を管轄する自治体は発表している。「我々はケリーサービスに問い合わせ、彼らの研修システムについて説明を求めています」、
「今回の臨時教員の振る舞いは到底許容できるものではありません」
「生徒たちが持つ表現の自由は認められるべきです」
ケリーサービスの公表担当者は、現在も調査を続けていると述べている。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:千葉雄登