フロリダの男性、細菌に汚染された生牡蠣を食べて死亡

男性が食べた生牡蠣は、ビブリオ･バルニフィカスと呼ばれる細菌の一種に汚染されていた。この細菌は、皮膚に傷がある状態で海で泳いでも、重篤な皮膚感染を引き起こす。

この男性は、地元レストランで生牡蠣を食べた2日後に亡くなった。深刻な合併症を引き起こすリスクが増す持病があった、とフロリダ州サラソータの保健局職員はBuzzFeed Newsに話している。

「この方の場合、胃腸疾患、吐き気、下痢、発熱の症状が出てから、細菌の性質、そして恐らく男性の年齢、持病などの影響で、さらに重篤な感染へと進行しました」とサラソータ郡にあるフロリダ州保健局の疾病予防サービス・プログラム・マネージャーのマイケル・ドレノンさんは話す。

今年に入ってから、フロリダにおけるビブリオによる死亡者は、これで3名になる。2017年には11名、2016年には10名、フロリダでビブリオが原因で死者が出ている。

病気の原因となる腸炎ビブリオは、約12種類あり、温かい海水に生息し、夏場にアメリカの沿岸沖で見つかるものと同種である。牡蠣やその他の貝類は、海水を常に漉して、微生物などを捕まえている濾過摂食者であるため、細菌に汚染されやすい。

調理することで、貝類の細菌は死滅するが、生食すると感染のリスクに晒される。見た目も匂いも完全に普通でも、汚染されている場合がある。生牡蠣にレモンやホットソース、酒を振りかけても細菌は死なない。

「生ガキや生焼けの牡蠣を食べる場合、腸炎ビブリオのリスクを負っています」とドレノンさんは話す。「1年でどの月、ということもなく、どこ産がだめということでもなく、生ガキを食べたら、ビブリオ細菌感染のリスクがあります」

汚染されたものを食べたり、開放創に細菌が入ったりして腸炎ビブリオになるのだが、この感染症の原因となるビブリオ細菌がいくつかある。

13日、同センターは、また別の細菌である腸炎ビブリオに汚染されたベネズエラから輸入された生の蟹肉に対して注意を喚起した。これまでのところ、メリーランド、ルイジアナ、ペンシルベニア、ワシントンD.Cで合計12名がこの蟹を食べて病気になっているが、死亡者は出ていない。

最も一般的な腸炎ビブリオの症状は、下痢、吐き気で、殆どの人は問題なく回復する。だが、ビブリオ ･バルニフィカスによる感染はさらに深刻で、水膨れができる皮膚損傷、危険な血流感染、切断出術の原因となる。

免疫系が弱っている人、胃酸抑制剤を服用している人、がんや糖尿病、肝疾患がある人、胃の手術を受けたばかりの人は、高リスクだ。

同センターによると、ビブリオ ･バルニフィカスで重度の腸炎ビブリオを患う人の4人に1人は、死亡する可能性があるとのことだ。

ビブリオは、多くの州で問題となる可能性がある。今年に入ってから、バージニアでは少なくとも9名が腸炎ビブリオと診断されており、そのうちのひとりは亡くなっている。同州では毎年、通常、約50名が腸炎ビブリオと診断されている、とバージニア州ハンプトン保健局で地域疫学者を務めるナンシー・レミーさんはBuzzFeed Newsに話す。

ほとんどの人は、開放創から皮膚感染したり、海に入っているときに怪我をしたりした人だったが、報告されていないケースも多いだろう、とのことだった。

「最も注意を要するのは、すぐに医師に診せずに放置したり、何が起こっているのか理解していなかったり、免疫不全の人の場合で、病状が進行するのが早いです」と話す。「免疫不全だったり、傷から感染してしまったりしたら、見た目もひどくなりますし、ものすごく痛みます」と続ける。

ビーチにいる間は、防波堤は避け、岩場には登らないように勧めている。

「綺麗な岩場があるビーチもたくさんあり、登りたがる人も多いです。監視員は勤務時間の半分くらいは、登らないようにと笛を吹いています」と話す。「岩には細菌や堆積物が多く、尖っているため、容易に傷ができます」

怪我をしてしまったら、すぐに水から上がり、石鹸を使って水で洗うように、レミーさんは話している。赤くなったり、腫れたり、他の感染の兆候が見られたら、すぐに手当てをしてもらって欲しい。

また、免疫不全の人は、魚介類の生食は避けるべきだ。健康な人も注意すべきで、生の魚介類を食べて、気分が悪くなったら、医師の診断を受けるように、と結んだ。

この記事は英語から翻訳されました。翻訳：五十川勇気 ／ 編集：BuzzFeed Japan