その犬とのキス、大丈夫? 両脚を切断した男性の原因は犬の唾液にいた細菌かもしれない

    6月のことだった。グレッグ・マンテュフェルさんは、重篤な感染症で病院に担ぎ込まれ、脚を切断、鼻も外科手術が必要な損傷を受けた。

    この夏、ウィスコンシン州ウエストベンド在住のグレッグ・マンテュフェルさんは、命の危険がある感染症でとても具合が悪くなった。

    6月にマンテュフェルさんは、具合が悪くなり始めた。病院に着いて数時間で、敗血症性ショックに陥った。

    敗血症性ショックとは、敗血症の最も重篤な合併症で、感染が引き金となり、危機的な全身症状を伴う。敗血症では、細菌により免疫系反応が連鎖し、血圧の上昇、臓器不全、組織損傷、死に繋がる場合がある。

    血流が悪くなると、臓器に損傷を与え、手脚に影響を及ぼし、ときには壊死した組織を取り除くために手脚切断を余儀なくされる場合がある。

    敗血症同盟によると、敗血症の症状には、震え、発熱、寒気、激痛、眠気、精神錯乱、冷や汗、息切れ、死にそうに感じるなどの症状がある、とのことだ。

    マンテュフェルさんは、両足を切断し、損傷をさらに除去するために追加手術を受け、膝頭のすぐ下まで切断範囲は広がった、とマンテュフェルさん家族がこの危機を乗り換えられるよう開設されたGoFundMeページには記載されている。

    手の一部も除去する手術も追加で予定されており、鼻を再建する整形手術も必要になる、と同ページには書いてある。

    敗血症は、身体に感染部位がある人であれば、誰にでも起こりうる。感染したささくれのような小さな傷でもだ。

    だが、米国疾病管理予防センター(CDC)によると、65歳以上の人や1歳未満の幼児に起こりやすく、免疫系が弱った人、糖尿病、肺疾患、癌、腎疾患などの慢性疾患がある人が発症しやすい、とのことだ。

    毎年、アメリカでは約150万人が敗血症に罹患し、約25万人が死亡している。

    マンテュフェルさんの初期感染は、カプノサイトファーガ・カニモルサスと呼ばれる細菌の一種が原因であることが、検査で分かった。

    カプノサイトファーガ属は、猫だと57%、犬だと74%の口腔内で見つかる。通常、動物に害を与えない常在細菌の集まりだ。

    だが、犬に噛まれたり、密接に接触したりすることで、この菌が人間に感染することがある。まれではあるが、この菌は重篤な感染症を引き起こすことがあるとCDCは話している。

    マンテュフェルさんの妻ドーンさんは、夫の具合が悪くなる前、自分のところの飼い犬も含めた犬8頭と接触があった、とワシントン・ポスト紙に話しているものの、感染の経路は定かではない。マンテュフェルさんを舐めた8頭のうちどの犬も、感染源である可能性がある、とドーンさんは話している。

    1976年以降、アメリカとカナダでは犬に噛まれたことがなくても敗血症に感染した人の例が500あると、マンテュフェルさんの家族は指摘している。

    感染すると、10名に3名くらいは死亡し、症状が出はじめてから24時間~72時間で死亡する場合もある。なので、猫や犬に噛まれたら、気分が悪くなくても、すぐに医師に相談することを、米国疾病管理予防センター(CDC)は推奨している。

    カプノサイトファーガ感染の症状には、噛まれた傷の周りに数時間で形成される水膨れ、発熱、下痢、胃痛、頭痛、精神錯乱、筋肉痛、関節痛、赤み、腫れ、痛み、傷口の膿などが含まれる。

    マンテュフェルさんは、可能な限り自身が置かれた状況に対応している。

    「ことが起きてから、家族や友だちはうろたえて混乱していますが、本人は毅然として、すべての知らせを受け止めています。生きていることに感謝して、1日1日を過ごしています」とGoFundMeのページには書かれている。

    マンテュフェルさんの家族と連絡が取れたので、進展があれば、BuzzFeed Newsはまたこの話を紹介する予定である。

    この記事は英語から翻訳されました。翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan