FBIが追っていた「銃乱射事件の熱狂的ファン」 散弾銃で自殺

    捜査当局は女性を「非常に危険」とマークしており、彼女が武器を購入してすぐ、身柄を拘束するため捜索が始まった。

    4月17日、13名の死亡者を出した1999年のコロンバイン高校銃乱射事件の「熱狂的なファン」で、銃を持っていた18歳の女性が、コロラド州で遺体となって発見された。銃で自殺したとみられている。

    コロンバイン高校銃乱射事件では、武装した生徒2人が高校を襲撃し、生徒12人と教師1人を射殺した。事件からちょうど20年となる日の数日前、女性がデンバー中心地で暴力行為をはたらく恐れがあるとして、捜査当局が行方を追っていた。

    死亡した女性の名前はフロリダ州在住のソル・パイス。当局は彼女を「非常に危険」とみなしており、彼女を拘束して精神状態を検査するべきという勧告も出ていた。

    4月15日、パイスがデンバー市内で事件を起こす可能性があるとみたコロラド州のFBIはデンバー中心地の全ての公立学校を閉鎖。パイスを拘束するため、36時間に及ぶ大規模な捜索を開始した。

    同日パイスはマイアミからデンバーに移動し、すぐに連射式の散弾銃と弾薬を購入した。そして車でデンバー郊外のマウント・エバンスに行ったのを最後に、FBIのレーダーから姿を消した。

    16日の朝、銃を持った女性が裸で走り回っているという報告を受け、捜査官はマウント・エバンスに急行した。

    捜索の結果、パイスの遺体を発見したとFBIのデンバー特別捜査官は発表した。

    記者会見によると、パイスは購入した散弾銃で自分を撃って命を絶ったという。

    We can confirm that Sol Pais is deceased. We are grateful to everyone who submitted tips and to all our law enforcement partners for their efforts in keeping our community safe.

    FBIデンバーはTwitterでもパイスの死亡を報告し、情報提供者や協力機関に感謝の意を述べた。

    事件の数週間前、パイスだと思われる人物がオンライン掲示板上でコロラド州以外の住民が州内で銃器を購入する方法について尋ねていた。

    パイスが散弾銃を購入した店のオーナーがFacebookで語ったところでは、彼女は必要な許可を全て取っており「彼女を疑う余地はなかった」という。

    どの学校にも具体的な脅迫はなかったものの、コロンバイン高校銃乱射事件とその犯人に「心酔」しているパイスは、地域の学校にとって「確かな脅威」になると当局は判断した。

    パイスのアカウントだと思われるソーシャルメディアのプロフィールあるリンクには、「覚醒の記録」と称された日記やメモが掲載されており、中には銃器やコロンバイン高校銃乱射事件の犯人らしき人物のスケッチも含まれていた。

    また「コロンバイン記念日」が週末に迫っていることを、パイスはネットでの投稿や家族・友人との会話で言及していた。

    パイスはフロリダ州サーフサイドに両親と住んでいた。サーフサイド警察によると、パイスが死亡した15日に、両親からパイスが行方不明だと通報があったという。

    翌日、複数の報道機関の取材に対し、パイスには「精神的な問題があったと思う」と父親が答えた

    地元紙によると、パイスが通っていたマイアミビーチ高校の生徒は彼女について、成績優秀で大人しく、あまり社交的なタイプではないと認識していたようだ。よく暗い色の大きなサイズの服を着ていたという。

    「彼女がそんなことをする人だとは思いませんでした」と生徒の1人は語った。


    この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子