預けた子どもは遺体となって帰ってきた。過去にも虐待の容疑をかけられていたベビーシッター

    10月18日、生後2ヶ月のベンソン君が命を落とした。防寒着を着て、チャイルドシートに座っていた息子を抱きかかえるとすでに息を引き取っていたと母親は語る。

    アメリカ・ウィスコンシン州でベビーシッターに預けていた生後2ヶ月の男の子が死亡する事件をめぐって容疑者が起訴された。ベビーシッターは、すでに亡くなっている男の子を、眠っているように見せかけて、母親のもとへ帰していた。

    ベビーシッターをしていたメリッサ・ティエトソート容疑者は、ベンソン君の殺害容疑で1月4日に起訴されている。

    捜査当局によるとティエトソート容疑者(28)は、ベンソン君に防寒着を着せてチャイルドシートに座らせ、ブランケットをかけた状態で母親へ受け渡していた。帽子を目のところまで被せ、眠っていると思わせるように細心の注意を払ったという。

    母親は車を止めて、ベンソン君を抱きかかえたときに初めて彼が息をしていないことに気付いたと証言している。彼女はすぐに人工呼吸を行い、救急車を呼んだ。

    通報を受けて駆けつけた警察官が目にしたのは血の気のない顔、食いしばった顎、そして真っ青な唇だったという。彼らはその場でベンソン君の死亡を確認した。

    その後の検死の結果、死因は頭部の外傷によるものだと判明した。尾てい骨も骨折しており、生後2ヶ月の男児の身体にかなりの衝撃が加わったことを証明している。

    事件が起きたのは2018年10月18日。ベンソン君の母親は、彼と彼の兄をティエトソート容疑者の自宅に預けていた。

    その日、容疑者は児童虐待の罪に問われているため子どもに接近することを禁じられており、子どもの世話をしていたことはくれぐれも秘密にするようにというメッセージを母親へ向けて送っていたことが判明している。

    ティエトソート容疑者は、現在6人目の子どもを妊娠している。彼女はベビーシッター中にベンソン君が亡くなったことは認めているが、殺害は否定している。ベンソン君の死亡時、家には容疑者とベンソン君の兄、そして容疑者の息子がいたと供述している。

    ベンソン君が亡くなっていることは、身体の冷たさから気付いていたと語るティエトソート容疑者。しかし、彼女は救命措置を行うことも救急車を呼ぶこともなかった。同居する恋人が帰宅した際にも、自分が世話する子どもが亡くなったことは伝えていない。

    彼女はベンソン君の亡骸に防寒着を着せ、チャイルドシートに座らせて彼の兄と一緒にマクドナルドへ立ち寄っている。そこで彼女らは食事をしていたことが判明している。

    ベンソン君を受け渡されたとき、眠っているとばかり思ったと母親は証言している。彼の死に気付いたのは、チャイルドシートから降ろそうとした瞬間だった。そのときには、彼の足は硬直していたと母親は主張する。それが正しければ、ベンソン君はそのとき既に死後2時間以上は経過していたことになる。

    ベンソン君が亡くなる数日前には、容疑者は2018年8月2日に別の子どもに怪我を負わせた容疑で罪に問われることが決定していた。容疑者は当時、子どもがソファーから自ら転げ落ちたと母親にメッセージを送っていた。

    また2017年にも生後3ヶ月の子どもの頭蓋骨を折ったことでトラブルになっていたことが明らかになっている。しかし、授乳中に哺乳瓶を他の子どもに奪われそうになった際に子どもの頭部へ落下したことによるアクシデントだったと主張したために彼女の罪を問われることはなかった。

    彼女は保釈金の減額を求めるための手紙を提出している。その手紙の中で、彼女は「私はモンスターではありません」と主張している。

    ベンソン君の家族は、この悲しい死を多くの人へ伝えるためにFacebookページを開設した。

    「彼は明るく、幸せな子どもでした」と家族はコメントしている。

    「彼は多くの人に愛され、彼の笑顔は私たち一人ひとりに生きる意味を与えてくれました」

    彼らは人々にティエトソート容疑者にくれぐれも子どもを近づけないよう呼びかけた。「もっと多くの子どもたちが被害にあう可能性を考えるとゾッとします」。

    「ベンソンに、そして彼女のもとで過ごした子どもたちのためにも、正義に基づいた判決が下ることを祈っています」と語る。

    「この事件が明るみになるまでに、いったい彼女は何人の子どもたちを傷つけてきたのでしょうか」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:千葉雄登