出産の様子を配信したユーチューバーが娘の「目と肌の色」にコメント。視聴者から非難の声が集まる。

    Youtubeチャンネルを運営する母親が、出産直後、「この子は間違いなく茶色の目になるわ...可愛い目になると思ってたのに」と言う姿が動画におさめられていた。

    ファミリー向けの人気Youtubeチャンネルを運営する夫婦の発言が視聴者を怒らせている。それは、娘を出産した直後に彼女の「目と肌の色」について語った一言だった。

    ビアンカとダミアンのプリンス夫妻は「Prince Family」というチャンネルを運営しており、これまでに360万人を超える登録者を獲得している。

    夫妻にはすでに息子が2人おり、先月下旬、彼らは新たな家族を迎えることとなった。ノヴァと名付けられた娘は、生まれる様子をカメラに捉えられ、YouTubeで配信された。

    出産の動画は37分以上にわたり、14もの広告が出ているが、その中にはビアンカさんが出産直後にノヴァちゃんの容姿についてコメントするところが映っている。

    「赤ちゃんの目っていつ頃色が決まるの?6〜12ヶ月頃?」と部屋にいた看護師にビアンカさんが聞く。

    「この子は間違いなく茶色い目になるわ...可愛い目になると思ったのに」

    するとダミアンさんがすかさず、「この子は可愛い目をしているよ」と反応するのが聞こえる。

    「DJみたいな色になると思う?それとももう少し濃い色?」母親は息子のDJくんと娘の肌色を比べて、そう発言する。

    「いや、濃い色になるだろう」と父親が反応する。

    「けど娘さんは可愛いですよ」と看護師が口をはさむ。

    動画が配信されると、なぜ産まれてすぐに娘の肌と目の色にこだわっているのか、ファンが両親に疑問を投げかけた。

    「肌の色がどれくらい濃くなるかとか目の色とか、なんでそんなことにこだわっているんだ。赤ちゃんが健康であることに感謝してほしい」とある視聴者はコメントした。

    「なんでビアンカは『この子はダミアンの色にはならない』って悪いことみたいに言うんだ。恥ずべき発言だ」というコメントもあった。

    そして金曜日には、この動画の一部が他のソーシャルメディアにも拡散し、発言に対する怒りや疑問が深刻な懸念へと拡大していった。

    ニューヨークのアリア・キュアトンさん(@_karbashian)が動画の一部をTwitterでシェアしたところ、それが急速に拡散し、元の動画よりも多い再生回数を記録した。

    Imagine being 1 hour old and your parents are obsessing over your skin/eye color 🤢 The nurse had to remind them that she’s a beautiful baby

    キュアトンさんは、ビアンカさんが「可愛い目になると思ってたのに」と言ったのを聞いた時に、すぐに不安を感じたと、BuzzFeed Newsに対して語った。

    「それって薄い色じゃないから娘さんの目が可愛くないって言っているようなものですよね」とキュアトンさんは述べた。

    「夫婦は娘さんの肌の色を頻繁に話題にしています。どれくらい濃い色になるのかということを。目の色についての発言は不愉快なものです。それから娘さんの肌の色が父親の肌の色と同じになる可能性に対するの母親の反応も」

    子供たちが直接的、または間接的に「肌の色が薄い方が良い」そして「薄い色の目は可愛い」と教えられるせいで、カラリズム(肌の色に基づく偏見)は黒人社会で問題となっていると、キュアトンさんは指摘した。

    そのような考えを両親が産まれたばかりの子供に押し付けるのを目撃することは、この複雑な問題全体にとって有害であり、それは自己嫌悪とカラリズムの副産物だ、とキュアトンさんは語った。

    「薄い色を手に入れるために違法な目の手術を受ける人もいるのです」と彼女は述べた。「黒人社会では、特定の肌色に対する嫌悪感は根深いものです。色が黒くなるから、太陽の下で長く過ごしすぎないようにと言われるのです。」

    他にも多くの人たちがオンラインで子供に対する同様の懸念を表明している。

    「家族のそういう考え方によって…子供の自尊心や自己イメージが大人になるまでどれだけ傷つけられるか、少し考えてみよう」と、ある人はコメントした

    「この赤ちゃんは世界に生まれ出てから24時間も過ごしていないのに、両親はすでに彼女に対して色による偏見を押し付けている。気分が悪い。この赤ちゃんが本当にかわいそうだ」と、別の人がツイートした

    問題の動画は再生回数が180万回を超えており、そもそも誕生の瞬間を記録してシェアしたこと自体を非難している人たちもいる。

    「YouTubeチャンネルを運営している家族はおかしい!以上!」と、ある人はコメントした

    ビアンカさんはそれ以降、新しいInstagramの投稿ではすべてコメントをオフにしている。

    BuzzFeed Newsの取材の申し込みに対してプリンス一家は、12の広告で収入を得ている返答の動画を見て欲しいとの回答を寄せた。

    この動画は火曜日に投稿され、タイトルは「ノヴァの両親は色による偏見を持っている」となっている。

    両親は自分たちに対する批判ではなく、一連の騒動に対して謝罪をしているように見える。

    「どうやら、私たちが『色による差別』的な発言をしていたらしいね」とダミアンさんは述べた。

    「結局のところ、外見で中身を判断してはいけないってことだね」

    「すべてのファン、そしてすべてのサポーターに謝りたいと思います。私たちについてまったく真実ではない、がっかりさせるようなことがたくさん言われたので、謝りたいのです。こんな騒動に付き合わなければならなかったことについても謝りたいです」

    そしてノヴァちゃんを抱いたビアンカさんが、娘の目の色についての発言に触れた。

    「『可愛い目だったら良かったのに』と言ったのは、文字通り娘が可愛い目をしていないという意味ではありません。『可愛い目』というのは『緑の目』のことです。自分の目について褒められたことなんてある?」とビアンカさんはダミアンさんに尋ねた。

    「ない」とダミアンさんは答えた。

    「茶色の目は緑の目やヘーゼルの目、青い目のように褒められることはない」

    夫妻が多くの懸念の声にしっかりと耳を傾け、たくさんいるファンにどのような影響を与えるかについてもっと判断力を持って欲しい、とキュアトンさんはBuzzFeed Newsに対して語った。

    「『可愛い目/完璧な肌色』といった考え方から距離を置くことを学んで欲しいです。何よりも、オンラインに何を投稿するかについて慎重になって欲しい」と、キュアトンさんは述べた。

    「小さい子供たちも彼らのチャンネルを見ており、彼らの発言が他の子供たちの自尊心にも悪影響を与える可能性があります」


    この記事は英語から翻訳・編集しました。