アントニア・ニコルはロンドン消防隊に所属する46歳の消防士。アントニアの亡き母、フェードル・フィットンは、アントニアの父、ナイジェルと一緒に、南アフリカのヨハネスブルグに住んでいた。2013年に母親のフェードルはがんで他界した。
母親が亡くなってから、アントニアはロンドンの自分の家から、ヨハネスブルグにいる父親の元を絶え間なく訪れ、できるだけ時間を共にするようにしていた。最近、アントニアは父親が老人ホームで新しい生活を始める手助けをした。「とても大変でした」とアントニアはBuzzFeed Newsに話す。
4年くらい前のことだ。母親が入院する前、父親に残した「いいつけ」がある、とアントニアは話す。トイレの植物に「必ず」水やりをすること。なので、父親は「指示通りに」植物に水をやっていた。枯らさなかっただけではなく、今でも活き活きしているので、よくやっている、と父はとても満足していた。
そこでだ。荷造りをして父親が老人ホームに入居するのを手伝うために、アントニアはヨハネスブルグへと向かった。そして遂にふたりはあることに気がついた。トイレにあった植物は、プラスチック製だったのだ。そう、偽の植物。
「ジョークだと分かったときはとてもおかしかったです。ふたりして大笑いしました」とアントニアは話す。「まるで母が戻ってきてくれたかのようでした」
今週、アントニアはこの話をTwitterでシェアすることにして、反響を集めている。
ジョーク自体に大受けして笑い泣きするとともに、亡き母への優しい、そしてただひとつの手向けに涙するという声が寄せられている。
みんな、フェードルは「レジェンド」であり、インスピレーションだと賞賛している。
同じような「抜群」のユーモアのセンスを持った家族を亡くした人は、心から共感している。
ユニークで馬鹿げた話をシェアしてくれた人もいる。「愛する人を亡くした人が、ツイートにコメントしていることで、もっといい話になっている」「愛と喪失の気持ちを共有して、みんな繋がっている」とアントニアは話す。
大きな手術から回復中の父親は、この話が引き起こした驚くほどの反響と笑いのことを知り、また心を動かされた、とアントニアは言う。
「このことで、ほんの一瞬だったけれども、母が父の元に戻りました」とアントニアはつけ加えた。
この記事は英語から翻訳されました。翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan