現地住民を「小道具」として利用 とあるフィットネストレーニングが物議を醸している

    トレーナーはこの件について謝罪した。

    招待者限定のワークアウトのコース、「スキニー・ビッチズ」を主催するフィットネストレーナーが謝罪した。彼らが提供しているワークアウトの一部が、「非常に搾取的」とネットで非難されていた。

    ラッセル・ベイトマン氏はロンドン出身のトレーナーで、この招待者限定の「スキニー・ビッチ・コレクティブ」の設立者だ。ベイトマン氏のサイトは現在「メンテナンスのために利用できません」と表示されているが、BuzzFeed Newsはキャッシュを拾うことでこのワークアウトの内容を確認した。

    「たくさんのセレブやスーパーモデルに人気のコース。前向きでファッショナブルなフィットネスと、少しお茶目な女の子のための社交クラブの間にあるコース」

    このようにサイト上では説明されている。

    現在はロンドンとニューヨークでのみで利用可能なワークアウトに招待されたジャーナリストたちは、このコースを 「カルト的」、「ややカオス」などと表現しているが、やりがいのある動きがたくさん含まれており、良いワークアウトのコースだと書いている。

    ベイトマン氏のInstagramのアカウントには、トレーニングやクライアントの写真やビデオが頻繁に投稿されている。中には、エリー・ゴールディングなどの有名人が写っているものもある。

    金曜日、ベイトマン氏がケニアで行っているワークアウトの写真をInstagramに投稿すると、彼と彼のジムは一斉に非難を受けることとなった。

    このコースは招待者のみ参加することができる。現在はスキニー・ビッチ・コレクティブのサイトがダウンしているため、このワークアウトの詳細を知ることは非常に難しい。BuzzFeed Newsはこのワークアウトの詳細について教えてもらうためベイトマン氏にコンタクトを取ったが、回答は得られていない。

    現在は削除されているベイトマン氏のFacebookの投稿では、次のように書かれている。「SBCアフリカは、これまでで最も野心的なワークアウトのコースだ。3月6日~13日。ケニア」

    しかし、彼がInstagramのストーリーに投稿したスクリーンショットが物議を醸した。これらの動画や写真は現在は削除されている。

    ブロガーのDiet Pradaはいくつかの動画を再アップロードし、「植民地時代の考え方」だとベイトマン氏を非難している。

    「このコースでは現地のマサイ族の人たちをワークアウトの道具として使っています」

    「動画はもう削除されていますが、スクリーンショットでは参加者の女性たちが、障害物競走のようにマサイ族の人たちの周りを、手を後ろについて歩き回っています」とブロガーのDiet Pradaは書いている。

    Diet Pradaが再アップロードした、最初にベイトマンのアカウントが投稿した動画では、参加者の女性たちがマサイ族の人たちに囲まれ、フィットネスのエクササイズを行う様子が撮影されている。

    video-player.buzzfeed.com
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    またベイトマン氏は、木の周りで女性が踊っている動画もシェアしている。

    別の動画では、野原で食事をしている女性のところにベイトマン氏が行き、「カシニア、チアベリージャムをくれるかな?」と女性に言っている様子が写っている。このことにより、ベイトマン氏に非難が集まった。

    Tracy Muringa Njeriさんは 、スキニー・ビッチ・コレクティブのマサイ族の人たちに対する扱いを見て、本当に涙が出たと自身のページで多くのスクリーンショットをシェアした。

    現在はイタリアで暮らすケニア出身のNjeriさんは、「Instagramや雑誌を開き、有色人種の人が背景の小道具として使われているのを見ることに嫌気が差した」ため、今回声を上げることを決意したとBuzzFeed Newsに明かす。

    Njeriさんは、今回の動画は「植民地時代の幻想」に陥っていると話す。

    「こういった画像を見るのは、本当に不快で辛いものです」とNjeriさん。「私たちは、植民地時代から自由を求めて戦い、様々な残虐行為に直面しながらようやくここまで来ました。また特にこのコミュニティーでは、自分たちの伝統を守り、西洋諸国に生活を指示させないようにするという印なのです」

    土曜日の朝、ベイトマン氏はInstagramで寄せられた批判に対して返信を書いている。彼のコメントは、今回のワークアウトのコースはマサイ族の先祖代々から伝わる場所で行われていたため、スキニー・ビッチ・コレクティブは「マサイ族の人たちとずっと一緒にいることが必要だった」というものだ。

    今回のコースの間、マサイ続の人たちとの間に「友情が生まれた」ので、マサイ族の人たちの生活の中に「加わり」、また撮影の許可ももらったと彼は書いている。

    ベイトマン氏によると、「私たちの意図は、体験を共有することにより異文化間の交流を促進し、ケニアとマサイ族の人たちの美しさを強調することだった」とのことだ。

    「しかし改めて振り返ると、実際の私たちのコンテンツは意図した目的には程遠いもので、植民地時代の有色人種の人たちのステレオタイプを強めることで、適切な文化的感受性を欠いてしまった」

    またベイトマン氏は、今回受けた批判を「大きな警鐘」だと受け止め、今後はこのようなことがないよう約束する、と書いている。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。