政府機関研究所で殺され続ける何百匹という子猫

    これはアメリカの話です。

    米国政府には、税金を資金源として活動する研究所があります。ただ、その活動には、たくさんの子猫を殺すことでなりたつ研究もあるのだと知れば、税金の使い道が恐ろしく感じる人もいるでしょう。

    メリーランド州にある米国農務省のラボでは、子猫に感染肉を食べさせ経過観察し、最後は殺して焼き払ってしまうという研究が行われています。感染肉を食べた猫がたとえ健康良好でも、たとえ生後三ヶ月の赤ちゃん猫でも、殺されてしまうのです。

    農務省のこの研究にメスをいれたのは、動物保護団体のWhite Coat Waste Project。米国の情報公開法FOIA(Freedom of Information Act)を利用して、猫を使った研究の情報を入手したとのこと。団体によれば、殺される猫の数は年間約100匹にもなるといいますが、農務省はこれを「過剰予想」だと否定。

    White Coat Waste Projectは、動物保護を支持するミシガン州議員マイク・ビショップ氏に、この情報とともに接近。ビショップ議員は、5月上旬、農務長官であるソニー・パーデュー氏に研究に関する質問書を提出しました。文書の中で、ビショップ氏は「動物福祉に関する法律を施行してきた機関である農務省が、不当に子猫の命を奪う高コストかつ不効率な研究を長年行ってきたことに、大変ショックをうけている」と批判。

    農務省担当者は、質問状を受け取った翌日、寄生虫という非常に重要な研究において猫が必要不可欠なこと、研究に使う猫の数を最小に抑える最大限の努力を行なっていることを回答しました。

    農務省が行なっている寄生虫の研究は、2015年に許可がおりて以来続いており、人間(またはその他の動物)にとって、食の安全を高めるためのベース作りに必要なタスクだとされています。

    研究所に連れてこられた猫は、トキソプラズマや寄生虫に感染した生肉をエサとして与えられます。数週間後、猫から寄生虫を取り出し、より詳しい研究を進めるというやり方。

    ただ、この後、感染していない猫も、たとえ感染しても抗生物質で治療可能であるにもかかわらず殺処分されてしまいます。White Coat Waste Projectは、農務省の対応を「猫をゴミのように扱っている」と痛烈批判。

    しかし、農務省は、猫を治療して里親に出すことは、感染症を巻く原因になる可能性があるとして、これを行わないと回答。

    また、ビショップ氏が入手した文書では、2015年ではなく、1982年から農務省によって研究が行われているとあり、一体いままで殺処分された猫の数はどれくらいになるのかなど、さらなる質問を続けています。

    この記事は英語から翻訳されました。翻訳:soko / 編集:BuzzFeed Japan