普通なの?宇宙飛行士の身長は、5センチ伸びて元に戻った

    新記録となる340日間の宇宙での滞在を終えたスコット・ケリー飛行士。

    NASAの宇宙飛行士スコット・ケリーさんは、宇宙に1年滞在している間に、5センチ背が伸びた。しかし、地球に帰還してわずか2日後に、伸びた分が元に戻ってしまった。

    宇宙で長い時間を過ごす宇宙飛行士の背が伸びるのは、珍しいことではない。ジョンソン宇宙センターの生理学者であるジョン・チャールズ博士は、無重力空間では背骨への圧力が低下するからだと、記者会見で述べた。

    無重力の宇宙で長期滞在をすると、地球に戻って重力に適応するのは非常に厳しくなる。

    スコットさんは、「私は宇宙に適応するほうが、地球に適応するより簡単だと感じています」と記者会見で述べた。

    地球の重力は人間の背骨を圧迫する。国際宇宙ステーションで新記録となる340日間の滞在後、地球に着陸したスコットさんの身長はおよそ3.8センチ伸びていた。

    無重力が人間に及ぼすその他の影響には、体液が下半身から上半身へ逆流したり、眼球の形状が変化することなどある。

    チャールズ博士は、NASAは宇宙飛行士の身長の変化を予測しており、宇宙服は急成長に合わせて少し大きく作ってあると話した。

    「残念ながら地球に帰還して地面に立つと伸びた分は元に戻ってしまいます」と付け加えた。

    NASAの関係者は、宇宙空間での影響を詳しく知るため、スコットさんの地球への適応状況を引き続き調査している。

    スコットさんは、筋肉や関節が痛むことや、座ったり歩いたりする時に皮膚がヒリヒリすると話している。また、バスケットボールで、まだシュートが打てないという。

    宇宙空間での長期滞在は、火星到達を果たしたいNASAが現在進めている研究活動の一環だ。

    スコットさんの一卵性双生児のマークも、地上で1年間、観察の対象となった。長期の宇宙旅行が身体に及ぼす肉体的・遺伝的影響を科学者が調査するためだ。

    スコットさんはこれまで、4つのミッションで、520日間宇宙に滞在した。彼は、もうNASAのために飛行することはないだろうと語った。弟のマークさんは、スコットの放射線被ばく量は、長期間の宇宙旅行で一生分の限界値に達している可能性があるため、宇宙にはもう行くことはないかもしれないと話した。

    それでもスコットさんは、「宇宙が好きなので、今後もなんらかの形で宇宙に関わっていきたいと思っています」と語った。

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