Googleの自動運転車が初めて事故を起こした。トヨタや日産も開発急ぐ

    相手はバス。「われわれに明らかに責任がある」

    2012年から本格的に公道で自動運転技術を実験しているGoogle。その車が今年2月に事故を起こしていたことがわかった。2月29日(現地時間)に事故報告書が公表された。グーグル側が過失を認める事故報告は初めて。日本でも研究が進む自動運転技術だが、課題も残る。

    2月14日、米カリフォルニア州のマウンテンビューで、 自動運転のLexus SUVがバスに衝突した。けが人はいなかった。

    報告書によると、原因は路上の土のう。自動運転車が右折しようとして右車線の右側に寄った。だが、排水溝の周りに積まれた土のうがあったため、避けようとして車線の中央寄りに戻ったところ、後ろからきた公共バスに左側面がぶつかったという。時速2マイル(およそ時速3.2キロメートル)未満だった。

    Googleは3月1日、自動運転車プログラムの月次報告を発表し、事故を報告する見通し。数年以内に自動運転車を実用化したいGoogleだが、事故の状況が複雑で、走行技術の改善に役に立ったと受け止めている。

    Googleは「明らかにわれわれに責任がある。もしわれわれの車がそこへ動いていなければ衝突は起きなかった」と認めた。

    Googleは昨年5月、それまでの6年間に11件の事故があったことを認めている。ただ、すべてGoogle側に過失はなく、事故は軽微で、けが人はいなかったと説明していた。

    2020年目指し日本勢も

    日本国内でも、自動運転技術の研究は進む。

    NHKなどによると、DeNAは2月29日、神奈川県藤沢市で自動運転タクシーの実証実験を始めた。住民が専用サイトで予約して利用できる。ただ、運転席と助手席に実験の担当者が同乗し、緊急の場合は人による運転に切り替える。

    DeNAとロボット開発ベンチャーのZMP(東京)が昨年、共同で設立したロボットタクシー(東京・渋谷)が担当し、同社は2020年の事業化を目指す。

    東京オリンピックが開かれる2020年に向け、大手メーカーも開発を急ぐ。

    日産自動車は2020年までに、交差点を自動で走れる運転技術を導入する予定。トヨタ自動車やホンダも2020年ごろに高速道路での実用化を目指している。

    UPDATE

    過去の事故例を追記し、「事故が報告されたのは初めて」を「グーグル側が過失を認める事故報告は初めて」に直しました。