投資家からの執拗な性的誘い、男女差別… 女性起業家のリアル

    投資の見返りに、性的行為を要求されることも。

    女性起業家に対してアンケートを実施したところ、21%が「セクハラ経験あり」と回答。

    参加自由の匿名アンケートを実施したのは、アメリカ・カリフォルニア州のベンチャーキャピタル「Yコンビネータ」。職場でのセクハラ行為発見のためのソフトウェアを開発する非営利団体「Callisto」の協力のもと行われた。

    同社のスタートアップ応援プログラムを利用した女性起業家384人のうち125人にアンケートを配布。そのうち88人がアンケートに答え、さらに19人が投資家からセクハラを1度以上うけたことがあると回答。

    アンケート結果を公開したYコンビネータは、「この結果をうけ、投資家コミュニティに、相手の弱みにつけこむパワハラの姿勢を改めるよう通告する」として上で、セクハラ・パワハラを行う投資家はコミュニティから排除すると、一切許容しない姿勢を示している。

    今回、Yコンビネータがアンケートを実施したのは、テクノロジー業界での投資家による女性起業家へのセクハラが、米メディアで報じられたことを受けて。残念ながら、シリコンバレーには男女差別や多様性の欠如が根強く残っている。

    昨年、テック業界で働く女性たちから、職場で当たり前のように行われる男女差別やセクハラ、パワハラに対して声があがった。テック業界の女性も、エンタメ業界、学術界、政界と同じく、職場でのセクハラに苦しんでいるのだ。

    Yコンビネータのアンケートでセクハラを受けたと回答した19人のうち、18人は性的な口説きや執拗な誘いを受けたと回答。さらに15人は性的行為の強要または代償型性的行為を提案されたという。

    同じ立場にいる女性を救いたいという思いから、セクハラ・パワハラ行為を告白する女性起業家がいる一方で、自分の会社を守るため、ベンチャーキャピタルコミュニティから疎外することを恐れ、口を閉ざす女性もいる。

    Yコンビネータは、起業家に対して、投資者による不適切な行為は通報するよう呼びかけている。また、年内にはCallistoのプログラムを導入を予定しており、セクハラ行為をうけた場合は、その起業家のサポートも行う。


    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:soko / 編集:BuzzFeed Japan