イラン・テヘランで現地時間9月13日、クルド人のマフサ・アミニさん(22)が道徳警察に身柄を拘束され、その後死亡した。
現地や世界各地で、アミニさんの死や女性へのヒジャブ着用への厳しい取り締まりに対する抗議活動が拡大している。
イランでは、女性は「ヒジャブ」と呼ばれるヘッドスカーフで髪を完全に覆い、体のラインを隠すゆったりとした服を着ることを義務付けられている。70年代のイスラム革命以降に制定された、公共の場での女性の服装に関する法律の一環だ。
イランの厳しい服装規定に反抗して、女性たちは公共の場で髪を切ったり、ヒジャブを燃やしたりしている。
イランでは、アミニさんの死に対する怒りが同国の強硬なイスラム主義政権に対する反発にまで拡大している。デモ隊とイランの治安部隊の衝突は、日を追うごとに激しさを増している。
保守派のライシ大統領は武力鎮圧も示唆し、現地でのデモ隊の取り締まりが強化されている。
オスロに拠点を置くNGO「イラン・ヒューマンライツ」によると、今月13日以降、同国の14の地域で76人のデモ参加者が政府の治安部隊により命を落とした。
イラン当局によると、1200人以上が逮捕されている。
抗議運動の活発化に伴い、政府は動画投稿などを制限させるためインターネットを遮断。市民はSNSにアクセスできなくなっている。
イランでは最近、ヒジャブ着用を義務付ける法律に反対したり、女性の権利拡大を求める運動が頻繁に起きている。
しかし当局は女性の服装規程に関する措置を拡大。ヒジャブを「不適切」に着用している女性を拘束しては暴行を加えていると、国連人権高等弁務官事務所は述べている。
同事務局は、女性が警察車両に押し込まれていたり、平手打ちをされたり、警棒で叩かれたりしている映像を確認しているという。
イラン人女性のサラさん(仮名)はBBCに対し、女性が公共の場で直面する制度的迫害にはもう我慢できないと語った。
「イランに自由はありません。ソロシンガーとして歌いたいと思っても不可能です。ソロダンサーとして踊りたいと思っても不可能です」
「性別や、この国で適用されているイスラム教の規則によって、私は職業の半分に就くことができません。私たちに自由はないのです」
この記事は英語から翻訳・編集しました。
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