シアトルの埋立地で大量に発見されたのは、Amazon Goの売れ残り

    Amazon Goのロゴが付いた大量の食料品が廃棄されていた、Amazonは、売れ残りの食料品を寄付されたコミュニティパートナーが、大量に廃棄した可能性があるとBuzzFeed Newsに話した。

    5月9日、シアトル在住のネイサン・グレッグ氏は、シアトルのダウンタウンから南へ約15分のゴミ捨て場で、午後3時30分ごろに建築資材を廃棄していた。

    そこでグレッグ氏は高さ6フィート近くにもなる、Amazon Goのパッケージで包装された調理済み食品が大量に廃棄されているのを発見した。Amazon Goは、eコマース大手のAmazonが展開する、レジの無い新しいコンビニエンスストアだ。

    グレッグ氏が提供した写真では、包装されたホットドッグ、マッシュルーム、ピーマンなどの食料品と一緒に、Amazon Goのロゴの入ったプラスチック容器に入れられた、様々なラップサンド、サラダ、サンドイッチなどが写っている。

    これらの廃棄された食品は、サウス・トランスファー・ステーションで発見された。シアトルには4つのAmazon Goの店舗があり、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨークには8つの店舗がある。

    グレッグ氏が今回の件を報告した後、シアトル市当局は廃棄されたAmazon Goの食料品について調査を行っており、食料品は埋め立て地から撤去されると説明した。

    今回の事件では、レジの無い店舗のAmazon Goが生み出す、大量のプラスチック容器に入った食料品のゴミが発見された。

    BuzzFeed Newsへ宛てたメールで、Amazonの広報担当者は、Amazonの方針では寄付できない食品は堆肥にし、包装はリサイクルすることになっていると話した。また広報担当者は、他のAmazonのパートナーが、無責任に食料品を廃棄した可能性があることを示唆した。

    「Amazon Goの方針では、地域を支援するため、状態の良い売れ残りの食料品は地元の非営利団体に寄付することになっています。特定の状況下では、Amazonのコミュニティパートナーが食料品を廃棄している可能性も否定できませんが、それらの詳細についてはコメントすることはできません」

    グレッグ氏は、廃棄された食料品から目に見えるようなカビは確認できなかったが、ほとんどは賞味期限を過ぎて数日が経過していたため、これらの食料品が寄付されるとは考えにくいと語る。

    そしてグレッグ氏は、容器の中身の食料は堆肥化のために、少なくとも分別して廃棄施設に送るべきだと感じている。

    「シアトルでは、ゴミの堆肥化に大きな重点が置かれています。なぜAmazonは、プラスチックの容器に入った賞味期限切れの食料品を埋め立て地に廃棄し、堆肥化のプログラムを持たないのでしょうか?」とグレッグ氏は話した。

    シアトル市は2015年から、生ゴミをゴミとして廃棄することを禁止し 、堆肥にするよう地域住民に呼びかけている。ルールに従わなかった住民や企業は、最大で2回の警告通知を受け、その後は 1回につき50ドルの罰金を支払うこととなっている。市の条例では、生ごみを発生させるすべての商業施設は「堆肥化サービスに加入して生ごみの処理を依頼するか、または自社で生ごみの処理を行う」必要がある。

    公共事業委員会の広報担当のサブリナ・レジスター氏は、Amazon Goの大量の食料品が見つかったサウス・トランスファー・ステーションには、食品のような「回収可能な資源」を廃棄物から分別するシステムがないという。

    「このように包装された食料品が大量に処分されるのは残念ですが、シアトル市はこのような食料品の資源化に積極的に取り組んでいます」とレジスター氏は言う。

    またレジスター氏は、公共事業委員会はまだ食べることができる食料品は、確実に寄付ができるよう取り組んでいるとコメントした。

    Amazon Goのウェブサイトでは、Amazon Goは 「グラブ・アンド・ゴー」のコンビニだと書かれている。店の棚には、すぐに食べることができる食品が並んでおり、また製品はプラスチックの容器に入っているため、食品やお菓子などを素早く個別に購入しやすくなっている。またプラスチックの容器なので、食料品を積み重ねやすく、鮮度も長持ちしやすい。

    カップケーキなどの個別に包装された食料品が、店では何種類も販売されている。このグラブ・アンド・ゴーのモデルでは、売れ残りの製品が廃棄されるときは、埋め立て地に廃棄されるのは食品だけではなく、食品が入っている使い捨ての容器も一緒に廃棄されることになる。

    現在、消費者のごみの発生に対する関心は非常に高くなっており、地方自治体は、ストローやビニール袋などの使い捨ての製品を禁止している。

    「使い捨ての包装は、一時的な利便性を提供しますが、数十年以上持続する問題になる可能性があります」と、天然資源防衛協議会の弁護士エリック・ゴールドスタイン氏がBuzzFeed Newsに話した。ゴールドスタイン氏は、石油系プラスチックはほぼ永久に埋め立て地に残り、最終的には小さなプラスチック片となり、海や川などを汚染することになると話している。

    包装や容器などのごみの問題を懸念しているコンビニは、Amazon Goだけではない。Amazonが所有するホールフーズ・マーケットなどの他の多くの食料品店も、幅広い種類の調理済みの食料品を取り扱っている。トレーダー・ジョーズ は包装されている調理済み食品を大量に販売しているため、ゴミ漁りの人気スポットとして有名になってしまった。

    しかしゴールドスタイン氏は、次のように付け加えている。「アメリカ経済におけるその規模とポジションから、Amazonはサステイナビリティの問題に対し、慎重に対処する特別な責任を負っています。 Amazonはこれらの問題のリーダーになるべきなのです」

    調理済み食品と包装食品を提供するコンビニエンスストアの台頭により、Amazonの事業は今後も急速に拡大していくと見込まれている。全国コンビニエンスストア協会によると、コンビニは2018年にすでに記録的な店頭販売を上げており、Amazonは2021年までに、最大で3,000店舗の新しいAmazon Goの店舗をオープンする可能性があるということだ。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。