2ヶ月以上噴火の続くハワイ島で火山弾がボート直撃 夏休みの観光で訪れる際には注意を

    「突然、周りで爆発が起きました。至るところでです」と船長は話す。

    7月16日、月曜日の早朝、ハワイ島のキラウエア火山で蒸気爆発が発生し、溶岩の塊が上空へと飛び散り、観光ボートの屋根を突き破って、少なくとも23名が重軽傷を負った、と当局は話している。

    写真には、ラバ・オーシャン・ツアーズが運営する観光ボートの被害と、赤く燃える溶岩の塊が映っている。同社は、許可を得ている4社のうちの1社で、溶岩が海へと流れ込む様子を観覧できるツアーを提供している。

    乗客のひとりであったカーク・オルセンさんは、肘の隣にあった手すりに溶岩の塊が落ちてきて、引っかかった、と自身のFacebookに書いている。

    「このボートに乗っていましたが、この爆発が起きたときに、まさにその下にいました。大きな溶岩の塊が船の屋根を突き破ってきました。死ぬかと思いました」と話している。

    写真は、溶岩の塊に直撃されたときにボートに乗っていたオルセンさんが撮影した。

    乗客が撮影した動画には、早朝に発生した爆発の様子が捉えられている。動画では、ボートの乗客が赤く燃える溶岩を見ている姿が映っている。その後に突然、爆発が起きている。そこで画面が暗くなり、乗り合わせた人たちが叫んでいるのが録音されている。

    ツアー会社は、すぐにはBuzzFeed Newsの問い合わせに答えなかったが、船の所有者であり船長でもあるシェーン・ターピンさんは、溶岩の約250ヤード(約230m)地点まではいつも通りのようだった、とAP通信に話している。

    「その場を離れようとしたとき、突然、周りで爆発が起きました。至るところでです」とターピンさんは言っている。

    火山弾が船の屋根に穴を開け、手すりを壊し、床には砕けた溶岩が散らばっていた。

    ハワイ郡消防局の報告では、被害に遭った船はヒロのワイロア港に戻り、23名が重軽傷を負っていた。そのうちの3名は、直ちに病院に運ばれたが、様態は安定しているという。だが、消防当局の話では、4人目の20代の被害者は、大腿骨を折り重症とのことだ。

    ヒロのワイロア港に戻った観光ボートを見せるハワイ・ニュース・ナウのレポーター、ミレカ・リンカーンさんによる映像。

    沿岸での爆発は、冷たい海水に高温の溶岩が流れ込むときに発生する。この爆発では、高さ300mまで溶岩の破片が飛ぶことがある、とアメリカ地質調査所(USGS)の地質学者であるジャネット・バブさんは説明する。

    同調査所は、5月下旬から、マッケンジー州立公園近郊で溶岩が海へ流入する際の爆発やその他の危険について、人びとに注意を喚起していた。今年初め、飛び散った溶岩の破片が男性を直撃し、その男性は脚を骨折した。

    カラパナ・カルチュラル・ツアーズ勤務で、爆発の様子を撮影していたイカイカ・マルツォさんの映像では、16日の爆発の後半が映っている。

    キラウエア火山の噴火は、住宅地で5月3日から始まった。噴火開始から約1週間後に、ハワイ火山国立公園が閉鎖し、好奇心旺盛な観光客が活発な溶岩の流れを見るには、ヘリコプターかボートのツアー以外に選択肢がない。

    ラバ・オーシャン・ツアーズは、同社のホームページによると、約250ドル(約2万8000円)で、沿岸警備隊が認可した船長が運行している。同ツアーは、「超一流の双胴船の最前列から、(溶岩の)熱を観て、聞き、感じる手段」と同社のホームページでは説明されている。

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    マルツォさんの映像では、爆発の上空の雲の中で雷が映っている。

    昨年、沿岸警備隊は、溶岩が海へと流れ込む場所から300mの区域を安全ゾーンとしたが、許可を得た商業目的、調査目的の船舶は、100m以内での運行も許されていた。ところが、2週間前、許可を得た船は50m以内にも入れると、沿岸警備隊は新しい規則を作っていた

    この事故の後、沿岸警備隊は、溶岩の流れまでどのくらいツアーボートを近づけていいかに関する規則を改定し、すべての船舶は、300m以内に近づかないこととした、とAP通信は報道している。

    ハワイ郡警察と保全資源執行部(DOCARE)による調査を支援するため、ホノルルからヒロへ職員を派遣する、と沿岸警備隊は16日に声明の中で述べている。

    溶岩観覧ツアーを行っているカラパナ・カルチュラル・ツアーズのマルツォさんは、同社では、溶岩が海へ流入する場所から200m離れることになっている、と Facebook Liveの動画で話している。

    住民、旅行者向けに在ホノルル日本国総領事館が発表した内容は、同総領事館のホームページで確認できる。

    この記事は英語から翻訳されました。翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan