ハリケーンの影響である島が消滅した

    「環境における本当の悲劇は、この島が、モンクアザラシが赤ちゃんを産むことのできる海から突き出た数少ない砂の島の1つだったことです」

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    ▲5月と、ハリケーン「ワラカ」後の10月のイースト島の衛星写真。(写真はスライドできます)

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    ▲5月と、ハリケーン「ワラカ」後の10月のイースト島の衛星写真。(写真はスライドできます)

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    ▲5月と、ハリケーン「ワラカ」後の10月のイースト島の衛星写真。(写真はスライドできます)

    太平洋に浮かぶ島が、ハリケーン「ワラカ」によって消滅同然の状態に陥ってしまったようだ。

    アメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration, NOAA)の科学者たちは、かつて海の上に突き出していたイースト島の地面がほとんど見えなくなっていることに衛星写真で気付いて、島の消滅を発見した。

    「(NOAAによって)最新の衛星写真で島が無くなっているように見えることを知らされました」と、ハワイ大学マノア校のチップ・フレッチャー教授はBuzzFeed Newsに語った。

    「誰も目撃した人はいませんが、推測によれば、ハリケーン『ワラカ』が島を横断して、壊滅させてしまったようです」

    イースト島はサンゴ礁の小島で、フレンチフリゲート瀬の一部であり、ハワイ語では「ラロ」と呼ばれている。北西ハワイ諸島で2番目に大きな環礁である。

    ホノルルの北西約550マイル(885km)に位置し、パパハナウモクアケア海洋ナショナル・モニュメントの一部ともなっている。

    「ゆるく堆積した砂と小石でできた島なので、ハリケーンによる強力な波で侵食され、海底に広がってしまいました」とフレッチャー教授は語った。

    イースト島は4.5ヘクタールで、一番高いところで海抜1.8mあった。

    フレッチャー教授によれば、島は第二次世界大戦中、軍によって利用されたが、ここ10年間はキャンバス地のテントに暮らす生物学者による研究に利用されていた。

    生物学者たちは、イースト島を繁殖の場としていたモンクアザラシやハワイアオウミガメ、コアホウドリの数を記録していた。

    「環境における本当の悲劇は、この島が、モンクアザラシが赤ちゃんを産むことのできる海から突き出た数少ない砂の島の1つであったことです」とフレッチャー教授は語った。

    「世界には、1400頭のハワイモンクアザラシしか生息していません」

    教授はさらに、ハワイアオウミガメの90%以上がイースト島で産卵すると付け加えた。

    「多数のカメの巣があった証拠が確かにありました」とフレッチャー教授は述べた。「そのすべてが無くなってしまいました」

    パパハナウモクアケアの共同マネージャーによる声明によれば、アメリカ合衆国魚類野生生物局とNOAAの職員は、写真撮影のために同エリアに飛んだ。現在はその写真を分析して、ハリケーンによる影響を評価しているという。

    さらに同モニュメントで働く海洋がれきチームがフレンチフリゲート瀬に立ち寄り、被害を調査する予定である。

    「気候変動に関連する要素もいくつかあります」とフレッチャー教授は述べた。

    「1つは単に海面上昇です。世界中で海面が上昇し、上昇の速度も加速していることが分かっています。そして海面が上昇するにつれ、小さな砂の島は言わばおぼれる恐れが非常に高いと我々の多くが考えています」


    この記事は英語から翻訳・編集しました。