ビル・ゲイツ氏がAppleの対応を批判 テロ捜査めぐるiPhoneセキュリティー解除が大論争に

    Twitter・Facebook・GoogleはAppleに理解を示したが。

    テロ捜査の協力のためと言えど、iPhoneのロック解除には応じない。そんなAppleの方針を公然と批判する超大物が現れた。Microsoft創業者のビル・ゲイツ氏だ。米政府とAppleが対立する情報セキュリティーとプライバシーの論争は、IT業界を二つに割る事態にまで発展している。

    連邦地裁は2月16日、Appleに対して、犯人らが所有していたiPhoneのロックを解除するようなソフトウェアを提供するように命令。Appleの故スティーブ・ジョブズ氏の後継者であるティム・クックCEOは「危険な前例になる」として、拒否する考えを示していた。

    クックCEOの主張は「FBIのためにiPhoneのロックを解除すると他のあらゆるデバイスへの政府のアクセスを許してしまう」というものだ。

    しかし、ゲイツ氏はこの主張を否定した。

    Financial Timesのインタビューによると、ゲイツ氏は「特定ケースとして、政府は情報へのアクセスを要請している」のであって、一般化されるような要請ではないと指摘した。

    ゲイツ氏は、FBIの要求は、電話会社や銀行に情報や記録の提出を求めることと同じである言う。一方で、政府が情報にアクセスするルールがなければならないとも付け加え、「議論を続けることで、措置が練られ、政府はどんな情報にもアクセスしないほうがいいと人々が(言う)ことがないことを望む」と述べた。

    IT業界の巨人たちは、これまでApple側の主張に理解を示す傾向にあった。Twitterのジャック・ドーシーCEO、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEO、Googleのサンダー・ピチャイCEO。ゲイツ氏の考えは、彼らと袂を分かつものとなる。

    米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが2月22日に発表した世論調査では、回答者の51%が「Appleはロックを解除すべき」と答えた。反対に「ロックを解除すべきでない」と答えたのは38%。11%は「分からない」だった。