ニューヨーク市警は、7人の男女に何らかの化学物質を含むスプレーを吹きかけた女について捜査している。ヘイトクライム(異人種憎悪などに基づいた犯罪)の可能性もある、と警察は示唆している。
3月8日の正午、125番ストリート駅で最初の事件が起きた。青色のジャケットとグレーのパンツを履いた女が29歳の男性に近付き、彼の顔面になんらかのスプレーを吹きかけた。
女は素早く駅から離れた。125番ストリートに沿って歩きながら、続けて5人の男女にスプレーを吹きかけた。
被害者は47歳の男性と23歳から48歳までの4人の女性だった。
同じ女は1時間後に、96番ストリート駅の1番線にいた30歳の女性の顔面にスプレーを吹きかけた。
3月9日、ニューヨーク市警の報道官はBuzzFeed Newsに対して、スプレーの中身は、治療が必要となる「何らかの化学物質」であることを話した。
被害者のうち何人かは軽傷を負い、近くの病院で診察を受けた。その後入院することはなかった。
被害者の一人はABC7の取材に応じた。「電車のドアから人が降りてくるのを、片側に寄って待っていた。ある男性と女性が降りたあと、その女の子が私のそばを通り過ぎて、少し空間が空いた。すると、スプレーを取り出し、わたしの目に目掛けて吹きかけた」。「彼女は私に近寄ってきた。本当に私のすぐそばまで。何かを吹きかけて、歩いていった。顔全体に火がついたように熱くなって、鼻の奥の方や喉が塞がれたような感覚になった。ひどい目にあった」。
警察の報道官は被害者は全員、白人だったと話した。しかし、BuzzFeed Newsに対して報道官は、ニューヨーク市警のヘイトクライム・タスクフォースが調査したところ、ヘイトクライムだとは断定できないと語った。
「被害者は全て白人だった」「偶然の一致だったかは分からない」とBuzzFeed Newsに広報官は話した。
スプレーを吹きかけた女は、被害者に何も言わずに去っていたという。地下鉄の人々をターゲットにもしているため、今後の被害も懸念していると警察は伝えた。
3月9日の朝になっても容疑者は捕まっていない。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:藤原哲哉