iPhone 6より小ぶりで、 iPhone 5に近いサイズ感の4インチiPhone SEが発表された。スマホはこれまで大型化の流れが続いてきたが、ここで一区切り。iPhone 6が大きいと感じていた人たちにとって朗報だ。
スマホ以前の時代。小さすぎる携帯電話は、Samsung Jukeのように「ガムと間違えてしまう」などと言われたりもした。
スマホの時代になってからは、端末は大きくなる一方だった。最初のiPhoneは3.5インチ、iPhone 5は4インチ、iPhone 6は4.7インチ。これに加えて、iPhone 6 Plusは5.5インチ。6sと6s Plusは、発売当初、記録的な売り上げをおさめ、Appleは、大きいサイズの端末はビジネス的には成功してきた、と言っている。
しかし、携帯電話端末は小ぶりなほうが使いやすい、と感じていた人たちは、この流れを必ずしも歓迎していなかった。手の小さい女性たちからは、不満の声があがっていた。
女性用の服のポケットに入らない、など、不便を感じていた人もいる。
アメリカのプロダクトデザイナーのキャット・イリーは、「世界は男性中心にデザインされている」というブログを書いた。イリーは、日常生活の製品から医薬品まで、あらゆるものが、デザインしている男性にとって使いやすい形と大きさになっている、と指摘している。
イリーは、シートベルトの例を挙げる。車の衝突事故のダミー人形は、1960年代から、男性の平均的な体型を元に作られていた。結果、女性は自動車の交通事故で、男性よりも47%死亡する確率が大きかった。女性の体のサイズのダミー人形は2011年まで作られていなかった。
電動工具なども、男性が使うことを念頭にデザインされており、女性の小さな手にはストレスがあると、イリーは指摘する。これはiPhone 6sやiPhone 6sPlusを使う女性たちから上がってくる意見と似ている。
Appleの発表会では、女性がiPhoneを使っている画像がたくさん使用されていた
もちろん、デザインは性別によって区切られるわけではない。しかし、Appleは、大きなサイズ感のiPhoneが使いづらいとの声を、ユーザーテストなどの過程で、聞いたのかもしれない。
イリーは、彼女のブログの読者から、「iPhoneが大きすぎる」というコメントをもらったと、BuzzFeed Newsに語った。「Appleが私と同じようなフィードバックを受けていたとしても、不思議ではない気がします」
iPhoneは右手だけで全部操作したいので、「親指が一番上のアイコンに届かないから厭」という理由で6s使うのやめた。5sと同サイズになるのは有難い。あと基本的にパンツの後ろポケットに突っ込むので、するんと入るサイズじゃないと。
AppleはiPhone SEを、手の小さいユーザーのためにデザインしたとは言っていない。また、小さい携帯電話端末が、女性ユーザーを念頭に作られたものだということも、はっきりわからない。いずれにせよ、iPhone SEが女性の手にはまりやすいサイズ感の端末であることは確かなようだ。