フランス、手や腕の欠けた子どもが生まれた件を調査

    1つの地域で四肢に先天異常のある赤ちゃんが11人生まれた。

    15年以上にわたり、四肢の欠落や奇形など珍しい先天異常の赤ちゃんが数十人生まれたことに関し、フランスでは調査が続いている。

    四肢の異常はフランス国内の3つの地域で発生している。1つは、東部のスイスとの国境に近いアン県で、11件発生している。

    11件中7件は、2009~2014年までの6年間でドリュイヤという街の近郊で発生した。BBCによると、 Public Health Franceはこの7件について調査し、10月に通常よりも発生件数が高いわけではないと結論を出した。

    しかし、ブルターニュ地方やロワール=アトランティック県でも先天異常は発生しているとBBCは報じた。Public Health Franceによると、2000~2014年に確認された先天異常は全部で18件あり、これは通常の件数よりも多い。

    これまでのところ、原因は分かっていない。

    最初の調査では原因が判明しなかったが、アン県で新たに先天異常が見つかったことで、政府は再調査に乗り出した。最新の調査結果が分かるのは1月だ。

    手足のいずれかを欠損する先天異常を医学用語で無肢症と言う、とジョン・パパス博士はBuzzFeed Newsに語った。パパス氏はニューヨーク大学ランゴーン医療センターのセンター長で、先天的な遺伝性疾患の子どもの治療や胎児異常の診断を行っている。

    四肢の欠損または奇形はまれにあり、遺伝的変異によって発生することがある。また他の先天異常を持って生まれる赤ちゃんもいる。しかし、フランスの件数はある集団で見つかる通常の件数よりも高い、と語った。ちなみにパパス氏は調査には参加していない。

    「少ない人口の中で先天異常の赤ちゃんが11人というのは極めて珍しいことです」とパパス氏。また、発生率が通常より高い場合、遺伝子的原因は考えにくい、と付け加えた。

    「その集団の遺伝子が要因なら、こうした先天異常は前から発生しているはずです」と氏は述べた。「突然発生することはないはずです」

    こうした先天異常は他に、アルコール、母親の健康状態、糖尿病など、薬、環境的な要因で発生する可能性がある。

    今回のフランスの件は、1960年代にヨーロッパで起こったサリドマイド事件を思い起こさせる。サリドマイドは妊婦に処方される薬で、つわりを軽減させるが、胎児に深刻な先天異常を及ぼすことが分かった。最終的に46カ国で四肢欠損などの先天異常の子どもが10,000人以上生まれた。

    「ヨーロッパで大騒ぎとなった薬害事件でした」とパパス氏は語る。

    フランスでこうした警告が出されたのは、Remeraという先天異常の登録システムのおかげだ。ガーディアン紙によると、この組織は遺伝子的要因を排除し、同様に薬物やアルコールによる原因もないと判断した。そうなると、農薬などの環境的な要因を調べる必要がある。しかし、今のところは推測に過ぎない。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。