生活に必要な物資を手に入れることができない人々がいるのを知っていますか?:いま地球の裏側で何が起きているのか

    「賢い人ほどアメリカで物資を購入し、それらをベネズエラ国内へ配送している」と写真家、カルロス・サンチェスは語る。

    独裁色を強めていた反米左派のマドゥロ大統領に対抗したグアイド国会議長が2019年1月23日に「暫定大統領」就任を宣言してから、ベネズエラでは政情不安が続いている。こうした事態を受けて、国外へ脱出した国民は6月の時点で400万人を突破した。

    グアイド国会議長の陣営は、暫定大統領就任直後にアメリカをはじめ世界各国の支持を取りつけている。3月末に公表された世論調査によるとグアイド国会議長の支持率は6割を超えた。しかし、国内では依然としてこう着状態が続く。

    こうした中で医療サービスから食料まで、様々なものの不足が深刻化している。食品生産や医療機関は活動を大幅に制限され、市場に供給されている物資やサービスの量は十分とは言えない。ベネズエラの中央銀行が市場への資金提供を制限していることもあり、ベネズエラ国内のインフレ率は100万%となっている

    2月にはグアイド国会議長はアメリカをはじめ各国に支援物資を求め、搬入の一歩手前までこぎつけた。だが、マドゥロ政権による国境の閉鎖で失敗に終わった。現地では停電も頻発している状態だ。

    ベネズエラ・カラカスを拠点に活動する写真家のカルロス・サンチェスは闇市場から物資が流通していく様をカメラに収めるプロジェクトを始めた。SNSなどで調査を進めていく中で、彼は何を買い、どのようにベネズエラ国内に持ち込むのかを決める意思決定は多くの場合、女性によってなされていることに気付いたという。

    たとえ物資が届いていたとしても、それらは非常に高価で、手の届かない物となっている。だからこそ、「賢い人ほどアメリカで物資を購入し、それらをベネズエラ国内へ配送している」とサンチェスは語る。


    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:千葉雄登