空爆か溺死か。内戦のシリアで生きる子どもたちの現実を伝える写真に言葉を失う

    「紛争被害者の現状に世界が注目してくれることを願う」

    一枚の写真が、内戦の悲惨さの象徴として世界に衝撃を与えている

    男の子の名前はオムラン・ダグニシュ君。

    内戦が続くシリア北部のアレッポに住む5歳のダグニシュ君は17日夜、空爆の被害にあった。

    自宅が破壊され瓦礫の下に埋もれてしまったが、両親らと一緒に救出された。映像はダグニシュ君は応急処置を受けた救急車の中で撮影されたものだ。精神的なショックが大きすぎたのか、涙を流すこともなく、ただ呆然としている。

    ダグニシュ君の姿は、人々にある写真を思い起こさせた。

    昨年9月にトルコのリゾートビーチで遺体となって見つかったシリアの3歳の男の子アイラン・クルディ君の写真だ。

    クルディ君の写真は、難民問題の深刻さと無実の子供が犠牲となっている内戦の悲惨さを、世界中に伝えるきっかけとなった。

    カタールに住むアーティストのカリード・アルバイさんは、2人の少年の姿を元にイラストを作った。内戦の深刻さを伝えるために。

    空爆か、溺死か。

    内戦に巻き込まれた子供達が直面する現状を伝えたイラストは、発表後すぐにソーシャルメディアで拡散された。

    アルバイさんは、イラストや漫画を描いて政治的なメッセージを表現するアーティストだ。 自身の子供が被害にあった男の子たちと同年代であったため、このイラストを描くことにつながったという。

    「世界が注目してくれることを願う」

    アルバイさんは、シリア内戦の悲劇が毎日報じられているにもかかわらず、何も変わらない現状を問題視している。イラストを通じて、シリアの人々が直面する内戦は現実に起こっている問題だと伝えたいという。

    BuzzFeedの取材に応じたアルバイさんは「紛争被害者の現状に世界が注目してくれることを願う」と語った。