世界の先進国の中で唯一、有給の育児休暇を義務付けていないアメリカ。
そんなアメリカで、とあるニュースで紹介された"流行"が物議を醸している。7月19日、ABCの情報番組「グッド・モーニング・アメリカ」が「新米ママへの贈り物の新しいトレンド」についてある記事を公開した。
育児休暇や産休休暇を少ししかもらえない、もしくは全くもらえない同僚のために、自分の休暇を寄付する——そのような内容が綴られていた。
記事では、2人の女性が紹介されていた。2人は有給の育児休暇がなかったが、同僚たちに休暇を"寄付"してもらったおかげで、産後に数週間休みをとることができたという。
ネットでは、このような習慣が必要とされていることに対し、批判が殺到した。「心温まる話ではない。産休はクラウドソースで集めるものじゃない」
「それか、他の先進国みたいに有給休暇を与えたら」
「もしも。もしもの話だよ。先進国で唯一、有給の産休休暇を保証していないという状況をやめたらどうなんだろう」
「この記事の見出しを『アメリカ人は非人道的な経済とどう立ち向かっているのか』に変えるべき」
多くの人たちがこのストーリーが「恐ろしい」とコメントしている。
「新しく母親になる同僚のために、休暇と傷病休暇をあきらめるなんて、感動話ではない…こんなことが必要であること自体、恐ろしい」
「こんな図々しくて、ディストピアなたわごとは止めるべき。"寄付"されても、帝王切開してから4週間で職場に復帰した。まだ子どもが新生児集中治療室にいる状態で。これは成功話じゃなく、社会システムの失敗」
「これは『お涙頂戴』の話ではない。企業の欲を果たすための、しょうもない言い訳だ。個人個人が手助けしたことは尊敬するけど、アメリカ社会が何を重要視しているのかに対し、訴えかけている」
BuzzFeed NewsはABCにこれらの批判に対するコメントを求めている。