ティム・クック氏ってどんな人?
3月に新iPadとiPhone 5と同サイズの新iPhoneを出すApple。厳しい情報管理で知られ、新製品や今後の戦略は公式発表があるまでほとんど表に出てこない。
現CEOのティム・クック氏自身もほとんどインタビューを受けず、伝説的な創業者スティーブ・ジョブズ氏と比べると印象が薄かった。
しかし、近年は独特の存在感を放ち始めている。2014年に同性愛者であることを公表。2015年には難民問題を受けて多額の寄付を表明。社会問題に積極的に発言している。1月22日には、同性婚に異議を唱えるフランシスコ・ローマ法王と面会して、話題となった。
昨年9月、BuzzFeed Newsはクック氏への独占取材を許された。クック氏がApple Storeを電撃訪問する20分間だった。
まだ誰も訪問を知らない。
クック氏を見た従業員は……
そして店はカオスに
やらせ?
最後まで従業員へのサービスを忘れなかった
この訪問に先立つ車中、BuzzFeedはクック氏の独占インタビューを許された。
訪問の数日前、新商品の発表会があり、Live Photosや3D Touchといった新機能が披露された。故スティーブ・ジョブズのような言い回しでクック氏は話す。
「Live Photosはこれまで存在しなかったもの。3D Touch はゲームチェンジャーだ。Eメールをさっさとさばけるので、効率が非常にあがる。使いたい機能にたどり着くのが簡単になる」
クック氏は、3D TouchがiPhoneの支柱になる機能と考えている。
「製品は準備ができ次第、リリースする。次回にとっておこうとは言わない。すべてを出して、次回はもっと素晴らしいものを出せるように自分たちを追い込む」
iPhoneアップグレード・プログラムもその一つ。毎月一定額を払えば、毎年最新のiPhoneに変えられる。これまで「2年プラン」などを展開してきた携帯電話キャリアから、顧客を奪いとるようにもみえる。ただ、クック氏は顧客のためだと主張する。
「iPhoneを簡単に買えるようにするだけ。毎年、買い換えたい人たちもいる。お客様は歓迎してくれると思う」
正直な返事なのかもしれないが、もちろん営業戦略だ。iPhoneを買い続けてもらえれば、売り上げは安定する。
こんな質問も投げてみた。
タブレットしか使わなくなる日は近いのか? Macの代わりにiPad Proしか使わなくなるのか?
「コンピュータを全く買わなくなる人もいるでしょう。いまや、人々がパソコンでやりたいと思うことはiPadでできるようになってきています」
ただ、Macの終わりを意味するわけではないという。
「私のようにMacを買い続ける人たちもいると思います。デジタル・ソリューションであり続ける」「長期にわたってMacはAppleの中核であり続け、成長すると思う」
iPhoneのほぼ使われないアプリについても聞いた。「ヒント」「株価」といったアプリはいらないと思う人は多いはずだ。
「一見するより、複雑な問題なんです。他の機能につながっているアプリがあって、削除するとiPhoneに問題を起こすことがあります。そうではないアプリもあります。そうしたアプリについては、(削除する)方法を考えています。削除したいと思っている人たちがいることはわかっていて、対処を考えています」