9月13日、マサチューセッツで発生した一連のガス爆発で、1人が死亡、多くの火災が発生し、その責任逃れをしているとして天然ガス会社コロンビアガスが非難を受けていた。そのため、州が災害対応の主導権を握れるように、チャーリー・ベイカー州知事が緊急事態を宣言した。
ローレンス、アンドーバー、ノースアンドーバーの地域を揺るがせた一連のガス爆発を見て、ハルマゲドンを見ているかのようだった、と当局は説明している。このガス爆発で、煙突が車の上に落ちてきて男性1人(18)が死亡、負傷者が多く出ていた。また、多数の家屋や建物も損壊した。
14日、ローレンス市長のダン・リベラ氏は、同地域の公共事業者であるコロンビアガスを、情報をまったく持っていなく、最後まで動かないとして非難した。同地域から住民を避難させ、電気を止めるように当局に指示した後、コロンビアガスは錯乱状態を招いただけ、とも市長は話している。
「一貫した対応をとれるように、その余地と指揮権、時間を無駄にコロンビアガスに与えてしまいました」と14日の午後に開催された記者会見でリベラ市長は話した。
13日に火災が発生した際、「コロンビアガスは現場にきて責任を取りたくなかったのです。そのため、13日夜の時間を無駄にしてしまいました」とも付け加えた。
爆発は配管内の圧力と関連していると当局は話しているが、実際に何が問題だったのかコロンビアガスはまだ答えていない、とリベラ市長は述べた。「配管の圧力がどのくらいだったのかがまったく明らかにされていません」
「コロンビアガスは問題から逃げています」と市長は付け加えた。
マサチューセッツ州の危機管理局によると、60棟以上の建物が被害にあい、25名が怪我をしているとのことだった。
米・国家運輸安全委員会(NTSB)が爆発の正式な原因を現在調べているが、14日の時点では、まだ情報を共有できる状況にない、とBuzzFeed Newsに対してメールで答えていた。
Twitterでは、配管システムの設計、配管の改修、その管理状況を調べていると同委員会は述べていた。
マサチューセッツ州知事のチャーリー・ベイカー氏もまた、同社は爆発発生後に契約上の義務をいくつか果たしたものの、その対応は契約書で合意しているものとはほど遠い、としてコロンビアガスを批判した。そのため、本件における同社の統率力に懸念が浮かび上がった、と話している。
「契約内容の遂行が行われませんでした」とベイカー知事は記者会見で述べた。
14日、コロンビアガスの災害対応の悪さに対する直接的な答えとして、ベイカー知事は緊急事態を宣言する決断を固めた。
「現時点において、ローレンス、ノースアンドーバー、アンドーバーの市民の利益のために、この事態を収拾する新しいチームを呼ぶことが、最善だと信じています」とベイカー知事は言った。
「そうすることで、事態は改善すると信じます」
14日夜、ベイカー知事はツイッターでコロンビアガスに対する不満を繰り返し、別の公共事業者であるエバーソース・エネジー社が対応を引き継いだと述べた。
その後まもなく、リベラ市長は、エバーソースの対応を賞賛している。
ベイカー知事とリベラ市長からのコロンビアガスに対する不満は、13日に消防隊員らから、14日には少なくとも1ヶ所の警察から、コロンビアガスから連絡が来ない、との指摘を受けてのものだった。
BuzzFeed Newsの問い合わせに対して、コロンビアガスはすぐには返答しなかった。
だが、コロンビアガスの社長であるスティーブ・ブライアント氏は、記者会見で自社の対応を擁護している。
「全体として、可能な限り迅速に対応したと言えます」とブライアント氏は述べた。
災害の翌日になるまで、なぜ社長も他の代表者も公に姿を見せなかったのかと尋ねられ、「知事と公安当局が見事な状況説明をしていたから」とブライアント氏は説明した。
「私たちはいるべきところにいたと思います」と付け加えた。
コロンビアガスの従業員は、爆発の後、まとまっていなかった、とも話している。米・国家運輸安全委員会(NTSB)に対する災害原因についての質問はすべて先送りにしたが、作業員は現場にいて、約8000件の顧客のガスを止めていたと述べた。