これはSFではなく現実。北極圏で氷が溶けていることを伝える17枚

    「SFではありません。これは気候変動の現実です」

    世界最大の島、グリーンランドの氷床がかつてない規模で解けている。6月から7月にかけて欧州各地は熱波に襲われたが、北極圏のグリーンランドでも1日に110億トンを超える氷が融解した。

    気候変動による夏の長期化、高温化の傾向が指摘されて久しいが、この夏の欧州は記録的な暑さに見舞われている。アフリカ北部で発生した高温の空気は、7月に欧州各地で観測史上最高気温をもたらし、その脅威はグリーンランドの氷床にも及んでいる。

    米航空宇宙局(NASA)によると、グリーンランドの氷は「大規模な融解」が発生しており、数億トン単位の氷が解けて大西洋へ流れ込んでいる。これは、フロリダ州全体が10センチ以上浸水する水量に匹敵する。今夏の熱波により、グリーンランドの氷床の半分以上が溶けており、すでに海面の上昇が起きているという。

    「今年の7月は、地域、国、世界レベルで最高気温記録を更新し、気候の歴史を書き換えました」と話すのは、世界気象機関(WMO)ペッテリ・ターラス事務局長だ。

    「今回の記録的な熱波はグリーンランドや北極、ヨーロッパの氷河の大規模な融解を引き起こしました。6月から引き続き、北極圏では前例のない規模の山火事が発生し、二酸化炭素を吸収してくれていた手つかずの森は破壊され、大量の温室効果ガスを排出しています。これはSFではありません。気候変動の現実です。いま現実に起きていることであり、すぐに手を打たなければこの先さらに悪化するでしょう」

    グリーンランドが直面する、気候変動の甚大な影響を伝える写真を集めた。


    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:石垣賀子 / 編集:BuzzFeed Japan