100年前、多くの人の命を奪った「スペイン風邪」にまつわる写真たち

    1919年を迎えるころには、世界人口の約3分の1が、致死性のインフルエンザウイルスに感染していた。

    第一次世界大戦の真っ只中だった1918年、致死性のインフルエンザウイルスが地球全体に広がっていた。世界人口のおよそ3分の1がこのウイルスに感染し、全世界で約5000万人が死亡して、事態はようやく収束した。

    アメリカ疾病管理予防センター(CDC)によれば、このあまりにも深刻なパンデミックにより、アメリカ人の平均寿命は約12年短くなり、男性が36.6歳、女性が42.2歳になったという。

    このパンデミックは「スペイン風邪」として知られているが、実はこの名称が大きな誤解を招く原因になっている。第一次世界大戦に参加していた兵士の多くは栄養失調やケガに苦しみ、おまけに狭苦しい場所で寝起きしていた。そのため、この致死性のインフルエンザに非常にかかりやすかった。

    ドイツやイギリス、アメリカなどの各国政府は母国の士気を落とすまいとして、インフルエンザによる死者の実数を検閲し、その発表を差し止めていた。実数を発表していたのは、第一次世界大戦当時、中立を守っていたスペインだけだった。そのため、スペインがこのパンデミックによる被害がもっとも大きかったという誤った印象を与えることになってしまった。第一次世界大戦中のアメリカ人死傷者の半分近くは、スペイン風邪によってもたらされたと推定されている。

    これらの写真たちが伝えるのは、この恐ろしいパンデミックが猛威を振るうなかで営まれていた人々の暮らしだ。


    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:阪本博希/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan