プライベートのFacebookページにポールダンスの動画を投稿して停職にされた先生

    「私に踊るなというのは、バレリーナにクローゼットの中で踊れというのと同じことです。蝶に飛ぶなと言うようなものです」

    ノースカロライナ州の先生で、パートタイムでポールダンスのインストラクターをしている女性が、停職を言い渡された。自宅でルーティンのダンスをしている動画をFacebookに投稿したところ、その動画が学校管理者に送られたのだ。

    キャンディス・メイソンさんは、同州レイフォード市にあるウェスト・ホーク郡中学校で6年生の英語と言語技術を教える仕事の準備をしていた。だが、メイソンさんが自身のFacebookページにポールダンスの動画を投稿したところ、学校の管理職がこれに反発。メイソンさんを停職処分にした、と彼女はBuzzFeed Newsに話している。

    メイソンさんは自身の年齢を明らかにしなかったが、娘が2人いるシングル・マザーだとBuzzFeed Newsに答えている。資格は、心理学修士、英語学士、瀉血の資格を持っている。

    彼女のポールダンス歴は4年で、自宅で運動し、ストレスを発散させる手段、創造性を解放する形として、ポールダンスを活用している。

    前職で自身の趣味に関して反発されたため、それ以来は、SNS上ではプライベートと仕事は分けていた、とメイソンさんはBuzzFeed Newsに話している。

    プライベートのFacebookアカウントは、名前を変えたり、検索されないように制限をかけたりしてきた。また、勤務先の学校とも決して繋がらないようにしていた。

    ところが、副教育長との緊急会議があるから校長室へ来るように、ウェスト・ホーク郡中学校のオリエンテーションで言われた、とメイソンさんは話している。

    「校長室へ入ると、副教育長はパソコンを開いて、私のFacebookのプロフィールと最新のビデオを見せました」と彼女はBuzzFeed Newsに話す。

    ラッパーのエミネムが歌う歌に合わせて、メイソンさんがポールダンスを踊っている動画は、どうやら匿名の情報提供者から送られたらしい。

    「メイソンさんのページを見て」と匿名の情報提供者からメッセージをもらった後、メイソンさんのFacebookページを見つけることはできなかったが、情報提供者からの次のメッセージで、動画のスクリーンショットが送られてきた、とメイソンさんは副教育長に言われたとのことだ。

    「教育長、校長、それともうひとり同席した女性は、選曲が卑猥で、保護者の耳に入ったら問題になる、と私のことを非難しました」とメイソンさんは話している。

    「7年生、8年生の男子が、この動画を観たらどう思うか、私のことをそれでも教師と見ると思うか、と聞かれました」

    保護者がどう思うかは、ポールダンスをどう思っているか次第であり、男子生徒がどう思うかは、コントロールできない、とメイソンさんは答えた、と話している。

    すると、「選曲を考える」べきだったと言われ、学校支給のパソコンを返却し、キャンパスを去るように強制されたとのことだ。

    停職の理由を地元テレビ局ABC11が尋ねたところ、ホーク郡学区の代表者は、詳細を明らかにすることは断ったが、従業員は仕事以外のときでも「ロールモデル」であるべき、と語っている。

    方針の詳細、停職との関係、職員に科しているSNSガイドラインの説明などを、BuzzFeed Newsはホーク郡学区に問い合わせている。

    ポールダンスが趣味であることで前職の昇進が見送られた後、彼女は趣味を諦めることを考えた、とBuzzFeed Newsに答えている。

    「ポールダンスは、はけ口であり、安らぎであり、平穏であり、緊張をほぐすよりどころでもあり、『自由』になる時間なのです。すべてを解放して、自分自身に戻る。それがどんな方法であってもです」とメイソンさんは話している。

    「でも、政府の援助を止められる職を得られないことが分かったときに、娘たちと一緒に感じた心の痛みは、今でも覚えています。娘たちはとても悲しんで、泣きました。昇進できなくてひどく落ち込んで、私も泣きました。自分を責めました。自分の情熱を保つか、手放すか、自分に問い始めました」

    それでもなお、娘さんたちとアニメ映画「Leap!」(原題:Ballerina)を観て、踊り続けることにした、とメイソンさんは話している。

    「ダンスは私の心の中に、私の魂の中にあるのです。踊ると心が自由になります。ダンスは私のアイデンティティには欠かせないのです」と話す。「私に踊るなというのは、バレリーナにクローゼットの中で踊れというのと同じことです。蝶に飛ぶなと言うようなものです」

    彼女は教職を続けるために戦うつもりだ。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan