海をエンジョイしている死神がリア充すぎる

    水辺での楽しさと危険は紙一重。

    「現世で水遊びを全力エンジョイする死神」がネットで話題になっている。

    水辺には危険が潜んでるよっていう広告らしいんやけど、どう見ても現世で水遊びを全力エンジョイする死神にしか。 https://t.co/XtCWXAbQM8

    写っているのは、スウィム・リーパー。

    ニュージーランドの海や川で夏を満喫している。

    Instagramのアカウントには、インスタ映えする写真が。

    実はこの死神、ニュージーランド政府によるキャンペーンなのだ。

    ニュージーランド水上安全局のCEO、ジョンティ・ミル氏はBuzzFeed Newsの取材に対し、スウィム・リーパーは「若い男性による予防可能な水難事故を防ぐためのキャンペーン」だと話す。

    2016年12月、ニュージーランドの事故補償を負担する政府機関「Accident Compensation Corporation」と連携して始まったキャンペーン。15歳から30歳までの若い男性をターゲットとしている。

    海や湖、川など水辺での遊びが豊富なニュージーランド。しかし、毎年平均して105人もの人が溺死しているという。

    2016年に予防可能な水難事故で亡くなった人数は81人。そのうち、15歳から34歳の若年層は33%を占めている。

    「多くの事故は、人々が賢い決定を下していたら防げた」とミルCEOは話す。

    若年層に水辺に潜む危険に関する知識を広めるために生まれたのが、水辺の死神、「スウィム・リーパー」なのだ。

    「若い人たちは、注意されると悪い反応をします。安全メッセージを好意的に伝えることは決して簡単ではない」とミルCEOは語る。

    「今週末は通り雨が降るが、海で泳ぐのにバッチリな天気だ…アホが海に入る確率はおよそ80%」「人って意外と結構長く水中に潜れるんだよ。試してみなよ、もちろん飲酒したあとに」「ジーンズはいて泳ぎたい人!」

    スウィム・リーパーのアカウントには、このようなメッセージが添えられた画像が投稿されている。

    また、危険な場所での飛び込みやセルフィーを投稿しているInstagramユーザーに「待っているよ」とコメントしていることも。

    「水辺における安全教育を押し付けずに、スウィム・リーパーのダークユーモアを通して、楽しんでもらいながら水上安全のメッセージを拡散することができている」とミルCEO。

    実際、スウィム・リーパーは9万3000人以上ものフォロワーを持っており、ユーザーたちとのやりとりを積極的にしている。

    今年に入ってから、15歳から34歳までの予防可能な水難による事故死が32%減少したという。

    「キャンペーンがこの減少に直接影響しているとは言えませんが、水辺での危険性について確実に注目されるようになりました」

    楽しさと危険は紙一重。スウィム・リーパーにリアルで会わないように、気をつけながら海水浴を楽しみたいですね。