日本のポケモンGOが中国に”乗っ取られている”? 中国のプレーヤーに理由を聞いた

    靖国神社のジムに現れた、中国のプレーヤーの異様に強いポケモンが話題に。

    日本でもようやくポケモンGOが遊べるようになった、7月21日。

    中国から、ポケモンGOのリリースを待ちきれないプレーヤーが、日本に“訪れていた”。

    あらゆる場所に設置されてあるジムで、他のプレーヤーと対戦するのがポケモンGOの醍醐味の一つ。ジムでは、一番強いプレーヤーがバトルを待ち構えている。

    中国からやってきたプレーヤーは、日本でゲームがリリースされてからわずかな時間で異様に強いポケモンを各所のジムに設置していった。

    中でも、靖国神社のジムに「中国万歳!!!!」と名付けられたポケモン・カイリューの存在が、アメリカのネット掲示板、redditで話題になった。

    この「中国万歳!!!!」の人物は、誰かはわかっていない。しかしBuzzFeed Newsは、この人物が所属する中国のSNS・微博の掲示板のグループのメンバーにボイスチャットで話を聞くことができた。位置情報を偽装し遊んでいたと、微博で証言している。

    「ポケモンGOのプレイできる国に行くお金がない。でもどんなバーチャル世界なのか知りたかった、遊びたかっただけなんだよ」とBuzzFeed Newsの取材に対し語る楊さん(26)。楊さんは、中国・上海在住の会社員だ。

    楊さんによると、「CN_Pokémon Go」という名のこのグループには約50人が所属している。「メンバーは全員ポケモンの大ファンで、ポケモンの名前をすべて覚えているよ」

    位置情報を偽装し、あたかも日本国内を歩いているように見せかけているという。

    「日本の新しいサーバーを試していたら、グループの誰かが靖国神社のジムをたまたま見つけたんだ」と楊さんは話す。そこで、メンバーたちはレベルを上げるために次々とこのジムを利用していった。

    靖国神社のジムを選んだ理由について、楊さん自身はこう語る。「愛国心や政治的な意味は持っていない。パッと決めたことだった」。しかし、ポケモンを「中国万歳!!!!」と名付けた人物の理由は、「わからない」と話す。

    中国のプレーヤーが靖国神社のジムで勝ち続けていることについて、ネットでは賛否両論だ。中国では、「90年代後半生まれにしかできない、愛国心の見せ方だ」と、プレーヤーを賞賛している。

    GPSを偽装して遊んでいることに対し、「開発元は早く偽GPSで遊んでいる中国プレーヤーを禁止すべき」と批判する声が英語圏redditでは多い。

    日本のネットでは「倒さなくては!」「第一次ポケモン代理戦争の始まりか」などの意見がある。

    ただ遊びたかっただけ、と楊さんは何度も繰り返す。

    「ポケモンをゲームボーイでプレイしたり、アニメを見たりして育った。中国でもリリースされたら、絶対に遊ぶよ」