ペットのパグが税金の滞納で差し押さえ。ネットオークションで売られた

    差し押さえに何も手段を講じられないことは分かっていた。

    ドイツのある市が、税金を滞納していた女性のペットのパグを差し押さえた。その後パグは、オークションサイトのeBayで売られた。

    ドイツの北西部にある人口約5万人の街、アーヘンでの出来事だ。

    ドイツ紙ビルドによると、アーヘン市の広報担当者は「差し押さえと売却は合法だ」と述べた。一方で債務のため動物が差し押さえられるのは初めてのことだと認めた。

    このニュースがドイツ全体に広まり、ペットの飼い主や動物愛護活動家らをざわつかせている。

    グロッケによれば、1歳の黒パグのエッダは11月に差し押さえられ、ネット上で売られた。

    ビルドによると「血統書付きの可愛い女の子のパグのセール!避妊手術は行ってません!」との文言が並べられたという。

    750ユーロの値段に、地元の警察官のミヒャエラ・ヨルダンの目がとまった。パグの愛好家で、もう一匹の購入を検討していた。グロッケによると、パグの相場は1500から2000ユーロだ。ヨルダンが市役所の職員に電話したところ、取引として問題なく、パグの健康状態も良好だと聞いたという。

    しかし、1週間後エッダは目の病気にかかり、手術が必要となった。さらに、緊急手術も行われ、1800ユーロ支払った。ヨルダンはアーヘン市に費用の払い戻しを求めている。

    一方で、エッダの元飼い主のシュテフィ・キスチュニックはテレビ局SAT.1に出演した。彼女も彼女の家族もひどく悲しんだという。エッダは彼女がパニック障害を克服することの助けになったといい、さらに彼女の3人の子どもたちからも愛されていたという。

    アーヘン市の広報担当者は市役所の職員の行動は例外的なものであり調査中だ、とアーヘンの広報担当者はヴェルト紙に話した。

    BeBayの広報担当者はBuzzFeed Newsに対し、企業傘下のローカルバージョンのeBay Kleinanzeigenで売られたと話した。ペットの売却はメインのeBayのサイトでは認められていない。

    ヴェルトによると、キスチュニックは、差し押さえに対して講じる手段もなく、エッダが良い飼い主の手に渡ったことも分かっていた。ヨルダンは、エッダが環境に慣れたら、元の飼い主の家族にぜひ来てもらいたいと話した。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:藤原哲哉