1月15日（アメリカ現地時間）、保守派の活動家で映像制作者のジェームズ・オキーフ氏が、Twitter社のエンジニアに対し行った隠し撮り取材の映像を公開した。その内容は、DMを含む「オンラインに投稿されるすべて」を同社の何百もの社員が読んでいる、と主張するものだった。
だが、Twitter社によると、この主張は事実と反しており、オキーフ氏が率いるメディア組織「プロジェクト・ヴェリタス」によって誤解をさせるように描かれているという。
映像の中では、Twitter社のエンジニアであるクレイ・ハインズ氏が、プロジェクト・ヴェリタスの活動家に次のように話している。どうやら、何百という社員が、Twitterユーザーの個人データに無制限でアクセスがあるようだ、という。「専門のチームがいる。少なくとも300～400名はいる」と、ハインズ氏が話しているのをカメラが捉えている。「ペニスの写真を見て、お金をもらっている」
Twiiter社はこの主張に異議を唱えている。「積極的にDMの審査はしておりません」と、同社の広報担当者がBuzzFeed Newsに語った。「正当な目的でDMなどの情報にアクセス権があるのは、限られた数の社員であり、アクセスがある従業員に対しても、厳重なアクセス規範を課しています」
DMなどの情報にアクセスがある社員の数、取扱注意のユーザーデータを保護するための注意点の詳細について、Twitter社は答えなかった。
Twiiter社の元上級社員が、同社のコメントに次のように同意している。プロジェクト・ヴェリタスの映像に収められていた主張は、「厳密には、ある程度は合っているが、酔っ払いがわざと大げさに話している」という。そのような取扱注意のデータを閲覧できるエンジニアのグループは、「かなり少人数」で、「DMで嫌がらせを受けているなどの『通報への対応』時にのみ閲覧が許されている」と元社員は主張する。
この他にも、Twitter社の元上級社員2名が次のように述べている。同社が1日に処理する通報の数は膨大なため、このような調整作業の大部分はアルゴリズムで処理されているとのことだ。プロジェクト・ヴェリタスの映像でも、Twitter社のエンジニアがこのことを認めている。
15日にリリースされた映像は、Twitter社の調査を目的としたプロジェクト・ヴェリタスの一連の告発ビデオの最新版だ。その前の週にオキーフ氏がリリースした映像では、同社エンジニアが次のように話している。Twitter社は米トランプ大統領のツイートとDMを渡すことで、「米司法省の調査に喜んで協力する」というのだ。
Twitter社はその週に、この主張を激しく否定し、「法的効力を有する依頼に対してのみ対応し、正当な依頼のない当局へのユーザー情報の提供はいかなる場合も行わない」と声明で言及している。同じ声明のなかで、Twitter社の広報担当者は、事実を偽り、話を聞き出すために社員を騙したプロジェクト・ヴェリタスの映像を非難した。
「人を騙し、隠れて映像を撮り、事前に決められたシナリオに合うように選んで編集する手口を、当社は強く非難します」と、過去にTwitter社は抗議している。「Twitter社は、偏見を持たずに当社規約を遵守し、ツイッター規約に基づき、当社のプラットフォーム上で発信されるすべての声に力を与えることに全力で取り組みます」という。
社員のユーザーデータへのアクセス管理方法に関して、Twitter社が詮索されるのは今回が初めてではない。昨年の11月、契約社員がトランプ大統領のアカウントを一時的に停止させたことで、同社は非難を浴びている。このことにより、社員はユーザー情報にアクセスがあり、自由にアカウントを停止したり禁止したりできるのか、という疑問が発せられた。（Twitter社の）意思決定過程に精通している情報提供者によると、11月の件以降、Twitter社は社員への許可を厳重に管理する措置を取ったという。