世界中で報道の自由が脅かされている　苦難に直面したジャーナリストたち

タンザニアのフリージャーナリスト、アゾリ・グワンダは、地方での謎に包まれた殺人事件の数々について取材していたが、2017年11月21日に消息を絶った。現在も行方不明のままだ。この事件について、政府は本格的な調査をしていない。

ロイター記者のワ・ロンとチョー・ソウ・ウーは、ミャンマーでイスラム系少数民族ロヒンギャへに対する虐殺を取材していた。2017年12月、国家機密法に違反したとして逮捕され、警察側の証言があったにも関わらず禁錮7年の判決を受けた。最高裁は弁護側の上告を棄却した。

今年5月7日、収監されていた2人は大統領の恩赦により釈放された。

2018年12月、警察がテレビ局100% Noticiasを捜索し、局長のミゲル・モラとニュースディレクターのルシア・ピネダを扇動の容疑で逮捕した。2人とも弁護を受ける権利を奪われている。

2017年3月、メキシコの新聞社ラ・ホルナーダの記者ミロスラバ・ブリーチが、チワワ州で殺害された。彼女は政治家と組織犯罪との関わりについて報道しており、少なくとも3回脅迫を受けていた。容疑者が1人拘束されており、次回の審理が数カ月以内に行われる見通しだ。

ジャーナリストのクラウディア・ドゥケは、誘拐・違法な監視・心理的拷問を耐え抜いたが、結果的には亡命に至った。コロンビア裁判所は、2003年と2004年にドゥケと彼女の娘を拷問したとして、治安当局の高官3人を有罪としたが、被告人は全員、自由の身となっている。

写真家のマハムード・アブーゼイドとブロガーのアラァ・アブドゥルファタハは、5年間収監されていた。刑務所からは釈放されたものの、その後も警察署に毎晩出頭し、署内の留置施設で寝泊まりせねばならない。自由は大きく制限されている。

ニュース雑誌カシミール・ナレーターの記者アーシフ・スルタンは、2018年8月に過激な活動を助長したとして告発された。彼の家族と編集長は異議を唱えているが、スルタンは投獄され警察から繰り返し尋問を受けている。まだ起訴はされていない。

2018年10月2日、イスタンブールのサウジアラビア総領事館で、サウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギが殺害された。CIAはサウジ皇太子の関与を指摘したものの、国連による独立した調査は未だ行われていない。ホワイトハウスに情報公開を求める声が多数あがったが、反応はない。マグニツキー法の下で議会に回答を求めたが、期限を過ぎても返答はなかった。

2018年11月、カメルーンのジャーナリストであるミミ・メフォが、カメルーン北西部と南西部での紛争の様子を報道したことに関し、虚偽報道とサイバー犯罪の容疑で逮捕され、4日後に釈放された。彼女は今も、カメルーンにおけるジャーナリストへの圧力や紛争の影響について声をあげ続けている。

ジュバ・モニター紙の編集者アンナ・ニミリアーノは、同僚を刑務所から救うため闘っている。政府はすでに、新聞の発行を止めるよう彼女に命令。逮捕の脅迫や絶え間ない検閲を受けてもなお、彼女は辛抱強く耐えている。