ウイメンズマーチに参加した少女たちが選んだのは覚醒したディズニープリンセス。Go girls!

    私はアリエルの声をとり戻したかった。欲しいものを手に入れるために、自分自身でいることをあきらめる必要はないと思う

    先週の土曜、ロサンゼルスの目抜き通りが60万人もの人々で溢れた。アメリカ全土の多くの都市で行われた、第二回ウイメンズマーチ(女性の権利デモ)である。

    #MeTooやTime’s Upのムーブメントが広がり、女性の労働環境・条件の改革を求める声が高まる中、多くの参加者にとって今年のウイメンズマーチは、反トランプを揚げて発足した昨年よりも、より切実で大きな意義を持つものとなった。

    この写真の13歳の少女たちは、今まで「囚われのお姫さま」だったディズニーのプリンセスを自立した女性に変身させ、ウイメンズマーチへ参加した。

    「今までのイメージをひっくり返したんです」と、アヴァ・ローゼンバーグは言う。彼女が扮するのは、社会的正義に目覚めた眠りの森の美女、オーロラ姫。「ステレオタイプのお姫さまにはウンザリしていたから、私たちに言わせればこうなるっていうプリンセスを作り上げました。友達もすごく熱心に協力してくれたんです」

    アーティスト、アマンダ・ナイデイのこの絵を見て、今回のアイディアを思いついたと、アヴァは言う。

    アーチャー女子中学へ通う彼女たちは、昨年のウイメンズマーチへは参加しなかったが、「皆とどんどん仲良くなるうちに、今年のウイメンズマーチに一緒に参加して、何か特別なことをしようという話になりました」と、アリエルのドレスを着たナイオビ・ベンジャミンは言う。「私たちなりの新しいプリンセスを作れば、楽しくてクリエイティブなやり方で男女平等を訴えることができると思ったんです」

    「映画の中で、アリエルは愛を手に入れるために声を失います。でも私は彼女の声をとり戻したかったんです。欲しいものを手に入れるために、自分自身でいることをあきらめる必要はないと思う」アリエルを選んだ理由を、ナイオビはそう語った。

    「私が選んだのはエルサ。ディズニー映画では数少ない自分の意志を貫く女性で、物語のテーマも王子様との恋じゃないでしょ」と、ジャックリーン・マークスは言う。「私はLGBTの一人だから、雪の女王であるエルサに共感します。映画の中で、エルサは他人の意見に左右されず、自分自身でいることの大切さを学ぶ。心の中に夏をよみがえらせて、平和と愛を、自分自身と家族の中に見つけるです。このメッセージには心から励まされました。彼女は強くて勇敢な女性です」

    「エルサを選んだのには別の理由もあります。それはここ数年問題になっている地球の温暖化です」とジャックリーン。「これはもう疑いようのない現象で、石炭や石油を燃やせば、大気に二酸化炭素が排出されて、温暖化が起こる。そうなると当然、エルサの氷の城は、すぐに打撃を受けるでしょう。私は雪の女王のエルサを通して、この問題の意識を高めたいと思っているんです」

    「女性の未来について真剣に考えてくれている人たちが、この世界にはいるんだって思うと、すごく心強いです」と、グウィネス・ウィリアムス(別名:現実主義者のティンカーベル)は言う。「私たちのことを非難する人たちもいるでしょう。でも、支持してくれる人々もいるんです」

    「ゴールデングローブ賞の授賞式にいた女性はみんな黒いドレスを着ていたし、今日はここにこれだけの人たちが集まって声を上げている。そういうのを見ると、自分たちにも何かが出来そうな気がしてきます」とデイジー・カプラン(レイア姫)は言う。「これはすごい変化だし、もっと大きく何かが変わっていくと思う」

    プリンセスたちのこの行進が、ディズニーならではの大ヒットとなったことは言うまでもない。彼女たちティーンエイジャーの写真はソーシャルメディアで瞬く間に広まり、その行動、メッセージに対して、多くの称賛と支持が集まった。

    「あなたたちは希望を与えてくれた」という誰かのTweet。

    @BuzzFeedNews @BuzzFeed @bri_sacks You kids bring me hope. ❤️

    ロサンゼルスでのウイメンズマーチ、13歳のこの子たちが、「囚われのお姫さま」たちを180度変身させた。

    ありきたりのお姫さまにはもうウンザリ。これが私たちの考えるプリンセスです。

    あなたたちは希望を与えてくれた。

    しかしコメントなかには「ネガティブで、意地悪で、不適切」なものも有り、彼女たちは驚き、ショックを受けて、傷づいたとナイオビは言う。

    「女は台所に帰れ、とか、ポルノでも観たら?とか、いろんなことを言われました。あーもう、何のために行進したのか分からない、私たちバカだったのかなって」と、13歳の少女が言う。「すごく腹が立ったし、悲しかった。でも、今はもう乗り越えました。もう気にしません」

    心無いコメントに対して、声を上げたメンバーもいる。

    「お前たちには現実が見えていないなんて言わないで。私たちにだって現実は見えている。本当です」とデイジーは言い返す。「13年しか生きていないけれど、大人の女性が経験するようなひどい目にはもうあっています。ウイメンズマーチに参加したのは、自分たちと自分たちの未来のため。誰かに強制されたわけじゃないし、『これってすごくインスタ映えしそう!』って飛びついたわけでもない。私たちがここで行進に参加しているのは、自分たちの権利のためです」

    「ウイメンズマーチでたくさんの人たちが心から応援してくれたこと、そしてネットでのヘイトスピーチ、どちらも予想をはるかに超えたものでした」とアヴァは言う。「でもこのウイメンズマーチに参加して本当に良かった。そう心から思えたのは、私たちを守るために声を上げてくれた人たちのお陰です。友達でもなかった子や、一度も話したことのない高校生、インターネットの見知らぬ人たちが、私たちを守るためにすぐに声を上げてくれた。それがすごく嬉しくてありがたかった」

    来年もまたウイメンズマーチに参加すると彼女たちは言う。「参加する必要がなくなる日まで、参加し続ける予定です」と。

    「すべての女性に、男性と同じ賃金、権利、敬意が与えられますように」とグウィネス

    ジャクリーンが叫ぶ。「男女差別に立ち向かうあなたたちフェミニストは最高にクールです。

    変化を勝ち取るまで、どうか戦い続けて欲しい。それにプリンセスのこと甘くみると、痛い目にあいますよ!」

    この記事は英語から翻訳されました。翻訳:岡嵜郁奈 / 編集:BuzzFeed Japan