大統領選後、米南部でKKKのチラシが配られる

    「人々は悪口を言うことに心地良さを感じ始めています」

    米大統領選後、白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)は、米南部アラバマ州・バーミングハムでこのように書かれたチラシを配った。「白人たちよ、曖昧な態度はやめよう。そして白人男性のために立ち上がった唯一のグループに参加しよう!」

    This was outside my car this morning. I am enraged and I am here to stand with my black brothers and sisters

    このチラシが今朝(大統領選の翌日)私の車の外にありました。心底怒りがこみ上げています。私は有色人種の兄弟姉妹たちと共に戦います。

    KKK flyers found littered around Birmingham neighborhood

    バーミングハムの路上に落ちていたKKKのチラシ。

    このチラシの片面には、アメリカは危険だと警告が書かれています。 「黒人の過激派たちが凶暴なっている。毎日のようにイスラム教徒たちがアメリカに来ている」

    チラシの反対側の面には、こう書かれている。「これは大規模な勧誘活動だ。人種、宗教、国籍、性的嗜好で差別されることはない」。そしてKKKから送られるメールの受け取りをやめることもできる、とある。

    ミシシッピ州に拠点を置くKKKの組織「クラン・インペリアル・ウィザード・オブ・ユナイテッド・ディクシー・ホワイト・ナイツ (UDWK)」のブレント・ウォーラーは、地元のニュースサイトAL.comにこう話した。彼はドナルド・トランプ時期大統領が公約を実現して、アメリカとメキシコの間に壁を建てて、不法移民を国外追放することを待ち望んでいると話した。

    「私たちはこの先4年間、しっかり舵取りをしなくてはなりません。白人や子どもたちの未来を確かなものにするチャンスは二度とないかもしれないからです」と、彼は言った。「トランプ氏に公約を守ってもらわないといけません。彼に最後までやり通してもらうための取り組みを、続けなくてはなりません」

    ウォーラーは、BuzzFeed Newsへ送ってくれたメールでこう綴っている。「新世界秩序の中でこの国は地獄へ向かっていると、私たちは150年間も叫び続けてきました。ドナルド・トランプたちは、ただ良識と現実に目覚めただけなのです」

    ウォーラーはメールの中で、彼がミシシッピ州で配った求人チラシは「闘いの始まり」にすぎず、「白人のアーリア人たちの中に存在する眠れる巨人を覚醒させて、彼らを白人男性の軍に参加させる」ためにチラシを配ったのだと語った。 彼はUDWK の他のメンバーたちにも活動を強化させるため、合図を送ったという。

    #blacklivesmatter KKK leaflets appeared overnight in Birmingham AL, and a Mississippi State student found this simi… https://t.co/2fkZPe6X0p

    KKKチラシがバーミングハムで見つかった後、ミシシッピ州のリークスビルでも、似たようなものを学生がみつけた。

    ミシシッピ州の住人たちも、近隣に配られたチラシの画像をSNSに投稿した。ミシシッピ州リークスビルには UDWK の住所が登録されているが、リークスビルの町役場の書記官、レックス・ガリソンは、ここ2~3年はKKKの活動報告は受け取っていないと話した。

    ミシシッピ州スタークビルの市長パーク・ワイズマンは、地元警察がチラシについて調査したが、「地域の中でKKKメンバーの存在や物証は確認できていない」と話した。

    BuzzFeed NewsはKKKとユナイテッド・ディクシー・ホワイトナイツ・リアルム・オブ・アラバマにコメントを求めたが、すぐに回答は返ってこなかった。

    KKKの活動が急に勢いを増したが、これはオルタナ右翼がトランプの選挙活動に歓喜したこと、またSNSを通して挑発的な投稿が増えたことを映し出している。

    アラバマ州では、平和集会を開いて今回のチラシとトランプが勝利した選挙に応えようと計画している。この集会の主催者の1人であるジョーダン・ギデンスは、集会で結束を示したいとBuzzFeed Newsに語った。

    「トランプ氏の選挙活動のせいで、人々は悪口を言うことに心地良さを感じ始めています」と、彼は話す。「私たちはアラバマ州の住民は、それほど嫌な人間ではないと、行動で示したいのです」

    ギデンスは、チラシは早朝には姿を消したと付け加えました。彼は市がチラシを片付けたのだと思っていますが、バーミングハム市長ウィリアム・A・ベルは市民がチラシを片付けたのだと語る。

    「時折、人々は対立を荒立てようと愚かなことをします。そして今日のように歩道にゴミが散らかります」と、ベル市長はBuzzFeed Newsに話した。「この異なる人種が存在する社会で、散らかったゴミを片付けようと決意した市民のことを私は誇らしく思います。これは、私たちの社会に圧倒的な強さをもつタイプの市民がいることを証明しています」

    この記事は英語から翻訳されました。