「箱」で暮らす子供たち、両親は貧しさゆえの行動だと主張

    逮捕された父親はロサンゼルス・タイムズに対して、「おせっかいはやめてください。私たちはわずかな金で3人の子供を育てようとしていただけです」と語っている。

    南カリフォルニアで2月末、合板とビニールシートの箱に暮らす3人の子供が発見された。児童虐待の容疑で逮捕された両親は、貧しさゆえの行動だったと述べている。

    3月6日、モナ・カーク(51歳)とダニエル・パニコ(73歳)は無実を主張。保釈金を支払う余裕はないと弁護士が申し立てた直後、2人は釈放された。

    パニコは釈放前、ロサンゼルス・タイムズの取材に対し、自分と妻は間違ったことをしていないにもかかわらず、家族は引き裂かれてしまったと語った。

    「おせっかいはやめてください。私たちはわずかな金で3人の子供を育てようとしていただけです」

    3人の子供は一時的な措置として、児童家庭サービスに保護された。

    「ジョシュアツリー砂漠コミュニティー」からほど近い野営地で、サンバーナーディーノ郡の保安官助手らが家族の惨状を目撃し、両親を逮捕した

    夫妻の友人らもロサンゼルス・タイムズの取材に応え、カークとパニコは極貧状態にあり、手元にあるものだけで何とか生き延びようとしていただけだと話している。

    リアナ・マンローは同紙に対し「保安官事務所は子供たちをホームレスの罪で罰するつもりです」と語った。

    6日、裁判所の外には抗議者たちが集結した。プラカードには「ホームレスは犯罪ではない」、「貧困は自ら選択するものではない」などと書かれていた。

    一家の話は口コミで広まり、ジャッキー・クリアと名乗る女性が「GoFundMe」で、一家が家と生活必需品を買うための資金を集め始めた。この記事の執筆時点で2万ドルの資金が集まっている。

    クリアはGoFundMeに、夫妻はきちんとした家を建てるつもりだったが、「財産はすべて生活費に消えてしまいました。そして4年後、このような状況になりました。彼らは常に子供たちを最優先にしていました」と書いている。

    当局は当初、11歳、13歳、14歳の子供たちは4年間にわたり、合板の箱での生活を強いられてきたと述べていた。しかしその後、3年間はボロボロのトレーラーで過ごし、1年間だけ箱の中で暮らしていたと訂正した。保安官事務所によれば、箱の大きさは縦6メートル、横3メートル、高さ1.2メートルほど。子供たちに目立った外傷や栄養不良は認められなかったそうだ。

    当局はさらに、一家は不潔な環境に暮らしており、地面には排せつ物やごみで満たされた穴がいくつもあり、30~40匹のネコがうろついていたと述べている。水道も電気もないが、近隣住民によれば、一帯では普通のことだという。

    クリアのほか、サンバーナーディーノ郡保安官事務所や、夫妻の弁護士にコメントを求めたが、回答は得られていない。

    南カリフォルニアでは1月にも、荒廃した環境でベッドに縛りつけられた栄養不良の子供13人が発見されている。

    この記事は英語から翻訳されました。翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan

    BuzzFeed JapanNews