トランプ大統領の全発言データベースを公開 90年代からの日本批判や誤りも検索できる

    米国在住の夫婦が、ドナルド・トランプ大統領の発言を検索できるウェブサイトを作りました。Twitterだけでなく、スピーチ、インタビューなどの発言も検索できます。

    ドナルド・トランプ米大統領の過去から現在までの発言を、一発で検索できる便利なサイトが開設された。

    ウェブサイト「Factba.se」を開設したのは、米バージニア州に住む夫婦ビル・フリシュリンさんと、ジェニファー・カンティーさん。

    フリシュリンさんは、人々が「フェイク(偽)ニュース」という言葉を使い、報道を誹謗中傷している現状に不満を持ったため、サイトを作ったという。

    「『メディアを信用しない』と主張するならば、少なくともトランプ大統領が実際に放った言葉を知るべきです」(フリシュリンさん)

    このサイトでは、検索語を打ち込むと、その検索語を含む過去のトランプ氏の発言が掲載されているサイトやツイートの一覧が出てくる。そこから、発言の文脈も理解できる。

    「ある人が語ったことについて、その文脈なしでは、それが真実かどうかはわかりません」と、フリシュリンさんはBuzzFeed Newsに語る。

    削除されたツイートも追跡可能


    メディアに懐疑的な人も、そうでない人も、このサイトを使えば、トランプ大統領の過去の発言について、自分たちで事実確認ができる。

    演説やTwitterに加えて、新聞、雑誌、テレビのインタビューでの発言も、データベース化されている。トランプ大統領の公式アカウントで削除されたツイートも検索できる。

    現段階で、演説やインタビューから260万語以上の単語、3万以上のツイートが登録されている。

    興味のある関連キーワードを入力して検索すれば、データベースから関連キーワードを含むインタビューや演説が表示される。ソースとなったリンクも掲載されている。

    「Japan」で多いのは、経済と安全保障

    試しに、「Japan」を含む発言を検索してみた。すると、選挙期間中の演説や、雑誌とのインタビューなど、500件以上の検索結果が出た。

    経済や安全保障に関する議論の中での発言が中心だ。

    「Japan」を含む一番古い発言は、1990年の雑誌「プレイボーイ」でのインタビュー。一部を抜粋する。

    「日本の好調な経済について、どう思うか」と聞かれ、当時、こう答えている。

    「日本は、7割に及ぶ石油をペルシャ湾から輸入している。日本の商船は、我が国の戦艦やヘリコプターなどに守られている。そして、無事に帰国した商船に運ばれた燃料が、日本の工場を稼働させる。ゼネラルモーターズ、クライスラー、フォードなどをぶっ潰すためにだ。あいつらは公然と、私たちを侮辱しているのだ。なぜ、彼らに金を払ってもらわないんだ?」

    「日本人は私たちをおだてる。頭を下げる。私たちをおだてながら、金を盗んでいるんだ。日本に愚かさを笑われているうちに、私たちは巨額の金を失っているんだ」

    さらに、このプレイボーイのインタビューで、「日本の安全保障」に関して、こうも発言している。

    「世界でも有数の裕福な国家を、ただで防衛していることが問題だ。日本を守るなんて、世界中に笑われている」

    ちなみに在日米軍の駐留費は「日米間では適切な負担がなされている」(菅義偉官房長官)というのが日本側の公式見解だ。「ただ」というのは、さすがに誤りだと言える。

    今後もアップデートは続く

    現在、登録されている一番古い発言は、1987年のインタビュー。

    フリシュリンさんの勤務先は、米メディアU.S.News & World Report。しかし、近いうちに、このサイトの仕事に専念し、データベースを完成させる計画という。

    この記事は英語から翻訳、内容を追記・編集しました。