クジラの耳アカ、見たことある? 世界の見方を変える、物体たち

    クジラの耳アカ、見たことある?

    スミソニアン国立自然史博物館が2019年まで開催予定の驚異的な物たち:国立自然史博物館コレクションでは1000個を超える、めったに見られない物たちが展示されている。狙いは、同博物館が所蔵する傑出した所蔵品を称え、身近にある自然世界に対する関心を高めるためだ。1億4500万点からなる事物や標本をもとに、地球上の生活に関する私たちの理解をどのようにして科学者や学者たちが広げてきたのか、その物語を伝える。

    1. オスのマウンテンゴリラの頭蓋骨

    BuzzFeed News は「驚異的な物たち」の共同学芸員で、博物館の民族部門で人類学者をつとめるメアリー・ジョー・アーノルディに取材し、この大規模な展覧会が企画された経過、そして研究の最前線での経験について取材した。


    「『驚異的な物たち』は、博物館としての私たちがどんなものであり、何をしているのかを紹介する展覧会です。博物館の核である不思議な物体、変わった物体、視覚的に驚かせる物体たちを畏怖と驚嘆をもって見ること、そして自然界に生きる私たちの立場について新たな質問や、掘り下げた問いかけをしたくなるような、物体たちがもたらす畏怖と好奇心に関するものです。

    これは特別な展覧会で、博物館内の全部門を巻き込む特別なプロセスを経て実現しました。はじめに、所蔵品と私たちの仕事に関するたくさんの心躍る話を伝えられる物たちを選んでもらうよう、博物館の全職員に参加を呼びかけました。圧倒的な反応がありました。学芸員、展示企画者、科学ライター、教育者らからなる展覧会チームの仕事は、博物館全体から集まった多くのアイデアや提案をもとに、来場者たちが『驚異的な物たち』で見る所蔵品について、凝縮したナレーションを制作することでした」

    2. ラピスラズリ

    3. トゥストラ小像

    「頭の中では昨日のことのようですが、1984年以来、スミソニアンで働いています。博物館ではアフリカ部門の学芸員として、主にアフリカ西部の芸術とパフォーマンスに関する研究をしています。アフリカ大陸全体を網羅している当博物館のアフリカ所蔵品の研究を管理・遂行しています。既存の所蔵品を管理するため、所蔵品および保存担当の職員たちと協働しています。最後に、アフリカでの研究成果と当博物館のアフリカ所蔵品の研究を、展覧会・公的なレクチャーやプログラム・ポッドキャスト・ブログへの投稿・その他のソーシャルメディアを通じて一般に伝えています。

    全所蔵品のうち、個人的に気に入っている物が2つあります。それは北西海岸ツィムシアン族の家の正面とクジラの耳あかです。当然、それぞれ違う理由からです。長さ38フィートの家の正面に描かれた絵画は素晴らしく、ツィムシアン族の芸術家でパフォーマーであるデイヴィッド・ボクスリーによる音声ナレーションによって、まざまざと生き返ります。音声によって、家の正面に描かれた図像と物語を来場者が順を追って理解できます。

    クジラの耳アカは、過去50年間で当館が収集した数百個のクジラの耳アカの一つに当たります。最初は『気持ち悪い』と思うかもしれませんが、素晴らしいのは、耳アカの分析が現在どのように行われ、個体としてのクジラたちの生涯についてもっと深い話が明らかになり、もっと大きなスケールでは、この素晴らしい動物たちに影響を与えた過去50年間の海洋環境の変化も明らかになることです。

    私はいつも物体に情熱があり、その物体について私たちが知っていることを探り、理解することに情熱をもっていました。それが本展覧会の核心にある物語です。職員たちがとても雄弁に語ったのは、所蔵品に対する情熱、そして所蔵品の研究と保存に対していかに熱心であるか、というものでした。来場者の方々が、所蔵品に対する驚きと好奇心を共有し、その背後にある心躍る科学について洞察をもって会場を去ることができるように願っています」

    4. 自然主義者ロバート・ケニコットの骸骨

    5. マヤの説教書

    6. クジラの耳アカ

    7. 最古のヒレ足類の化石

    8. 玉虫色のガラス瓶

    9. リョコウバトのはく製

    10. ツィムシャン族の家のパネル

    11. サンゴ藻

    12.金色の斑点を持つ黄金のスズキとその幼生

    13.甲虫類

    14.ズーニー族の陶磁器

    15.クジラの骨と銛の先端部

    「驚異的な物たち」は、スミソニアン国立自然史博物館で2019年まで開催中です。

    この記事は英語から翻訳されました。