仏教徒が大多数を占めるミャンマーで、政府が自国民と認めず、迫害が続いているイスラム教徒・ロヒンギャ族。そのロヒンギャ族をミャンマーの警察官が激しく暴行している動画が今週、SNSで世界的にシェアされた。
ロヒンギャ族の人たちが銃で武装したミャンマーの警察官たちに殴られ、地面に座らされ、何度も蹴られる。その様子をくわえタバコで撮影する警察官。
衝撃的な映像に、世界中から怒りの声が上がった。
「これはこの一回きりのことではない。毎日、ロヒンギャに起きていることだ。ミャンマー政府はこれら全てに責任がある」
「イスラム教徒のロヒンギャの人々をミャンマーの警察官が虐待している映像を見たことがありますか!!!!!こんなことは、止めさせなければなりません」
「アウンサンスーチーがノーベル平和賞を受賞したことを覚えておこう。彼女の国は、少数派のロヒンギャを殺すことに関与している」
BuzzFeed Newsはこの動画を最初に投稿した人物にコンタクトを取った。動画は、今月1日、Rohingya Bloggerによって投稿され、何万回も再生された。この動画をうけ、ミャンマー政府は村人を暴行したとする警察官たちの調査に乗りだした。
この事件は、ミャンマー・ラカイン州の村で起きた、とミャンマー当局は発表した。政府報道官は「(暴行への関与を)確認できた警察官を拘束した」と英紙ガーディアンに話し、「任務中に村人を暴行した他の警察官を確認するため、詳しい調査が続けられている」と語った。
ミャンマー政府がロヒンギャに対する暴力の事実を認めるのは稀だ。
しかし、1月3日に政府調査委員会が出した声明は、これとは逆方向の内容だった。調査委員会は中間報告書で、ロヒンギャの人々の大虐殺が起きた「証拠不十分」と主張した。
この政府調査委は、ロヒンギャへの人権侵害でミャンマー政府を批判する声が国際的に高まったのを受け、昨年12月1日に設置されたものだ。
ミン・スエ副大統領を委員長とする政府調査委の中間報告書では、ロヒンギャに対して起きているこの状況は虐殺や宗教的な迫害には該当しない、としている。ベンガル人の人口は増加し、モスクや他の宗教的な建物も壊されていないからだというのが理由だ。
先月、11人のノーベル賞受賞者が国連に、この地域に広がる「人々の苦しみを終わらせよう」と呼びかけ、ミャンマー政府の行動は「民族浄化」に等しいと指摘した。2016年の10月、ラカイン州で軍事行動が始まってから、3万4千人以上の人々がこの地域から逃げている。
アムネスティ・インターナショナルの先月の報告書は、警察と軍隊は「手当たり次第に発砲し、一般人を殺し、女性や少女をレイプし、村全体を恐喝し、所在や罪といった情報を確認せず、ロヒンギャの男性を勝手に逮捕した」としている。
アムネスティの東南アジア・太平洋ディレクターのラフェンディ・ゴジャミンは、報告書にあることは「氷河の一角」に過ぎず、ロヒンギャは「冷淡で組織的な暴力」の標的になっていることを懸念しているとコメントしている。
この記事は英語から翻訳されました。