銃撃事件の翌日。連帯した議員たちは、去年と同じように野球をした

    「試合をやめてしまったら、犯人は目的を果たしたことになる」

    6月15日、米の首都ワシントン近郊で毎年恒例の共和党・民主党対抗の親善試合が開かれ、民主党が11対2で共和党を下した。

    前日の6月14日の朝、この試合ために練習をしていた議員らに男が発砲する銃撃事件が起きた。連邦下院のスティーブ・スカリス議員(共和党)を含む複数人が負傷した。スカリス議員は今も入院中で、容体は予断を許さない状況だと伝えられている。

    一時は試合開催自体が危ぶまれたが、共和党と民主党の議員たちは超党派の連帯を示してきた。

    ナンシー・ペロシ下院院内総務は15日の記者会見で「試合は行われます。選手たちは、どんな試合よりも勝つための努力をし、『チーム・スカリス』としてプレーします。その連帯は、ここから前に進んでいくために大切だと考えます」と話していた。

    銃撃で自らも足に怪我をしたロジャー・ウィリアムズ下院議員は「試合をやめて、私たちが家に帰ることにしてしまったら、犯人たちが目的を果たしたことになる」と語った。

    トランプ大統領は試合に出席しなかったが、14日、スカリス議員を病院に見舞った。

    試合の前、集まった観客たちはスカリス議員にスタンディング・オベーションをした。両チームの選手たちはスカリス議員が事件の時に守っていた二塁付近で祈りを捧げた。

    Dem and GOP teams kneel for a moment of prayer at second base, the spot where Scalise was shot

    元ニューヨーク・ヤンキース監督のジョー・トーリが、始球式の球を銃撃で怪我を負ったデイビッド・ベイリー警察官に手渡す一幕もあった。

    Joe Torre hands ball to Capitol Hill police officer who was injured during the shooting

    連邦議会の親善野球は1909年、超党派での慈善事業を行う目的で始まった。今年は100万ドル(約1.1億円)の寄付金が集まった。寄付金は、毎年の通常の寄付先に加え、合衆国議会警察の慈善団体Capitol Police Memorial Fundにも送られる。


    この記事は英語から翻訳・編集しました。