ドナルド・トランプ大統領の北朝鮮の弾道ミサイルへの対応に批判の声が上がっている。
2月11日(現地時間)、フロリダ州の会員制リゾート施設「マー・ア・ラゴ」で訪米中の安倍晋三首相や後援者たちと夕食をしていたトランプ大統領。北朝鮮が弾道ミサイルを発射した情報が入ると、一般の客の前で対応し始めたのだ。
機密書類の読み合せ。安倍首相と北朝鮮についての協議。ワシントンDCへの電話——「マー・ア・ラゴ」の会員がFacebookに投稿した写真には、これらの様子がすべて写っていた。
また、核攻撃を発動する情報が入ったブリーフケースを持ち運んでいるとみられる軍人と顔出しで写真を撮っている。
アメリカでは、「マー・ア・ラゴ」の会員たちがなぜ、国家の重大事を目撃することができたのか。今後、ホワイトハウスの外で緊急事態が起きたときにトランプ政権が国家機密を適切かつ安全に扱うことができるのか、疑いの目が向けられている。
リチャード・デアガジオ氏はマサチューセッツ州在住のビジネスマン、そしてトランプ大統領の支持者である。
北朝鮮の弾道ミサイル発射への対応を安倍首相とトランプ大統領が取っている間、デアガジオ氏は最前列の席でその始終を目撃することができたのだ。
デアガジオ氏はFacebook投稿でこう振り返っている。
「なんてことだ!!!日本に向かってミサイルが発射されたとニュースが届いた時の慌ただしさを見ることができたのは、面白かった」
「日本の安倍首相がスタッフを集めている間、大統領はワシントンDCと電話で連絡していた。世界のリーダー2人が協議したあとに急遽アレンジされた記者会見に向かって行った。ワオ……行動の真っ只中だ!!!」
安倍首相とトランプ大統領が会見へと向かうまでに繰り広げられた事態について、デアガジオ氏はワシントンポスト紙との取材で次のように説明した。
「パニック状態になっている人は誰もいなかった。テラスにいる人のほとんどは何が起きているのか気づいてもいなかった」
「トランプ大統領は、とても落ち着きながら大統領らしく対応したと思う」
「コンサルタント、映画俳優組合、起業家、ネットワーク販売」といった経験を持つデアガジオ氏が11日に目撃したのは、これだけではなかった。
別の投稿では、デアガジオ氏は"核のフットボールを持ち運んでいた"リックと呼ばれる男性と一緒に写っている写真がある。"核のフットボール"とは核装置を発動させるのに必要な情報が含まれたブリーフケースのことだ。
しかし、ワシントンポスト紙が取材でリックという人物の信ぴょう性について聞いたところ、デアガジオ氏は彼に騙されたのかどうかわからないと答えた。
"核のフットボール"の仕組みについてリックは「何も言わなかった」ため、Wikipediaで調べたと話した。(過去にもメディア関係者が"核のフットボール"を持ち運ぶ役人を撮影したことがある)
現在、デアガジオ氏のFacebookアカウントは無効になっている。
"冬のホワイトハウス"とトランプ大統領が称する「マー・ア・ラゴ」の会員になるには20万ドルの会費がいる。トランプ大統領が就任してから金額が10万ドル追加された。
デアガジオ氏がFacebookに投稿した会員宛の手紙によると、選挙運動のあとから入会した。
「マー・ア・ラゴ」の会員がトランプ大統領政権と接点があるのが、デアガジオ氏のFacebook写真から読み取ることができる。
過去にもデアガジオ氏はホワイトハウスの上級顧問ケリーアン・コンウェイ氏と写真を撮っている。また、11日には首席戦略官のスティーブ・バノン氏、そしてトランプ大統領をキスした女性とも一緒に写っている。
トランプ大統領は、北朝鮮の弾道ミサイルについて記者会見で述べたあと、結婚式に立ち寄ったことがInstagramの投稿でわかった。
ホテルの大宴会場で開かれていた結婚式のゲストが投稿したInstagramの動画には、トランプ氏が新郎新婦に向かって言葉をかけている様子が映っている。「日本の首相に言ったんだ。『ほら、晋三。あっちに行って挨拶をしよう』」
別の動画では、昔から「マー・ア・ラゴ」の会員である新郎家族が「大金を注ぎ込んでくれた」とトランプ大統領は話している。
オバマ政権で倫理問題を顧問していたノーム・アイゼン氏は13日にTwitterで、ゲストを前に北朝鮮の対応をとったトランプ大統領を非難した。また、"核のフットボール"を特定されたことは「恐ろしい安全の侵害だ」と述べた。
国防省職員2人はBuzzFeed Newsの取材で"核のフットボール"を任されている軍人の顔が公に流れたとしても、国家安全保障が危機に陥ることはないと主張した。
この記事は英語から翻訳・編集されました。