FBI前長官「トランプ大統領がうそ」 それでも共和党関係者たちが楽観的な理由

    「大統領が捜査妨害をしたという証拠は現時点では出てきていない」

    2016年の米大統領選でのトランプ陣営とロシアの関係を捜査中、トランプ大統領に解任されたFBI(連邦捜査局)のコミー前長官が6月8日、米議会上院の公聴会に出席した。コミー氏はトランプ大統領から、捜査打ち切りを要請されたと受け止めたと証言した。

    コミー氏はまた、自身がFBI長官を解任された理由について、トランプ大統領に「うそをつかれた」とも証言している。

    トランプ大統領にとって、コミー氏の今回の証言は痛手のように見える。しかし、大統領に近い共和党関係者からは、証言が実際には大統領にとって有利に働いているという声が上がっている。コミー氏がトランプ大統領の司法妨害について明確に言及することはなかったからだ。

    「(コミー氏の証言は)大統領にとってはマイナスよりもプラスが大きかった」と語るのは米下院の下院情報委員会のメンバーであるピーター・キング議員だ。「大統領は公聴会についてツイートしなかった。それなら、この話題が一面に残り続ける感じはしない。今日以降はこの問題はこれまでのように話題に登らなくなるのではないか」

    トランプ大統領の長年の友人で非公式の顧問でもあるロジャー・ストーン氏は「(コミー氏の証言は)大統領がこう言った、ああ言った、という話に終始していた。大統領が捜査妨害をしたという証拠は現時点では出てきていない」と述べた。

    この記事はJames Comey Called Trump A Liar. Republicans Say Everything Is Fine(英文)の抄訳です。コミー氏の公聴会についての詳報はHere's Everything You Need To Know About James Comey's Dramatic Testimony On Trump And Russia(英文)にあります。