娘たちを虐待した疑いのある父親の動画をYouTubeが凍結。削除前には数百万人が視聴していた。

    父親が運営するYouTubeチャンネルは、娘たちが恐怖で叫び声をあげたり、食べ物を吐き出したり、おもらしや入浴する姿を映したもので、削除前は800万人にチャンネル登録されていた。警告:この記事には不快な映像が含まれています。

    あるシングルファーザーが、大人気のYouTubeチャンネルを作成した。それは、娘たちが恐怖で叫び声をあげるところや、入浴するところ、赤ちゃんのふりをしたり、食べ物を吐き出し、あるいは詰め込まれたりするところ、排尿するところなどを映したもので、数百万人がその動画を視聴した。

    その父親Greg Chismの「Toy Freaks」チャンネルには800万人のチャンネル登録者がおり、YouTubeは先週、彼の動画は不快で「児童虐待」に近いものとして削除した。

    Why is Toy Freaks allowed to exist? It's child abuse - ppl have been complaining for years yet @YouTube does nothing https://t.co/K0MIJXrnKj

    「なぜToy Freaksチャンネルは存在を許されているの? あれは児童虐待だよ。みんな何年もそう言っているのに、YouTubeはなんの行動も取らない」

    BuzzFeed Newsに対して、YouTubeの広報担当者は「当社は子どもたちの安全についてとても真剣に取り組んでおり、子どもを危険にさらす行為に反対する明確な方針があります」とコメントした。

    「当社は最近、これらの方針を厳しく実行に移すこととし、未成年者を扱ったコンテンツで懸念があるという知らせを受けたものについて対処しています。投稿者が当社の規則を意図して違反しているかどうかわからないこともありますが、それでも当社としては、視聴者や投稿者、子どもたちを保護する目的でそのような動画を削除する場合があります。当社の方針に違反するものとして、Toy Freaksチャンネルを削除しました。当社は今後も、専門のTrusted Flaggerたちと協力して、関連コンテンツを幅広く調査していきます」

    Chismによるその他2つチャンネルも24日現在、視聴できなくなっている。「Freak World」のホームページには「このチャンネルにはコンテンツがありません」と表示され、「Freak Family Vlogs」チャンネルはすでに存在していない

    プラットフォームから削除される前に、BuzzFeed Newsは動画をダウンロードしていた。少なくとも2つの動画で、Chismは娘のAnnabelleとVictoriaが入浴中のバスルームに歩いて行き、生き物を使って怖がらせている。

    同様に、父親は娘たちが入浴中のバスルームに違う生き物を連れて行く。バスルームに入る前、彼はロブスターを持ち上げ、こう言う。「浴槽で遊んでいる時、娘たちは、私が何かを持ってやってくるだろうと思っているはずだ。でも、今回はヘビやカエルじゃないんだ」 父親がバスルームのドアに近づくと、Annabelleは姉の背後に隠れる。「出て行って! 出て行ってよ!」と、娘たちはパニック状態になる。父親がその生き物を娘たちに見せると、Annabelleは叫び声をあげる。

    Toy Freaksの動画の多くで、 Chismと娘たちは赤ちゃんのようなコスプレをしている。そして、「赤ちゃん」のふりをして、食べ物を吐き出したり、おもらしをしたりする。

    動画には、Victoriaの背中の上の方に、食べ物を吐き出す描写も。さらに、Annabelleが Victoriaの上で「オシッコ」をし、カメラは彼女の下半身の濡れた部分にズームインしている。

    BuzzFeed Newsに対するコメントでは、Chismはこの状況についてYouTubeと「密接に連携」してきたと言う。

    「11月16日、YouTubeはKidsアプリとコミュニティガイドラインを更新し、親による規制と報告機能が強化されました」と彼は言った。「その日、知らないうちにKidsアプリに投稿されていた私たちの動画3本がコミュニティからの報告を受け、結果Toy Freaksチャンネルは削除されました」

    Chismの代弁者は、BuzzFeed Newsに対して、Chismの他のチャンネルも彼自身が用心のため削除した、と語った。

    「Toy Freaksチャンネルについての懸念があるため、少なくとも当面の間は、他のチャンネルも停止したほうが良いと(Chismは)考えたのです」と彼は言った。

    アメリカの週刊誌Varietyによると、Chismは「自分の動画が、子どもの利益が最優先という考えを持っていない視聴者を引きつけているのでは、という懸念」をYouTubeが彼に伝えたということだ。

    「VictoriaもAnnabelleも私も、サポーターの皆さんに感謝したいと思っています。この数年間、娘たちの創造力や自信を育む機会を持てたんですから」と、彼は言う。「娘たちの未来は明るい。私たちのコメディ動画で誰かが不適切な喜びを感じるのは私にとって不快なことです。しかし、YouTubeの私たち家族に対する心遣いには深く感謝していますし、このような素晴らしい経験ができたことはこの上ない幸せだと感じています」

    この家族の人気が高まるにつれて、多くの動画が登場した。この家族によく似た人物が登場するアニメのファン動画は、YouTubeで非常に多く視聴されている。「Toy Cartoon」というチャンネルが7月に投稿したこの動画は、500,000回以上視聴されているが、Victoriaが父親に向かって「オシッコ」をしているというものだ。

    Toy Freaksの家族が赤ちゃんの真似をする動画は、20日までYouTube上に存在していた。このスクリーンショットは、10月に「hand some」チャンネルが投稿した映像からのものだ。21日までに、この動画は削除された。

    2015年1月にYouTubeに投稿されたインタビューで、Chismは自分について4歳と6歳の2人の娘を持つシングルファーザーだと語っていた

    同じ年の別のインタビューでは、ChismはToy Freaksの始まりについてこう語っている。

    「単なる家族動画でした。子どもたちと動画を撮影し投稿する、単なる家族ビデオのようなものです。リビングでおもちゃで遊んでいるところとか、なんでも」

    「パターンを調べ始めたんです、この動画は別の動画より視聴者数が多いとか」

    「それで傾向を調べることに集中し、各動画の説明文、タイトル、タグ、その動画作成に関わるもの全て、なぜその動画が人気なのかを分析しました。そして、自分もそのとおりにしたんです。それについてはラッキーな部分もありました」とChism。

    そのインタビューで彼は、自分の動画の1つが急速に広まったと語った。「それで少しばかりお金が入ったんです」

    「赤ちゃんの真似をする子ども」は、YouTubeでは一大ジャンルだ。

    FFS, I watched ONE of those awful 'bad baby' videos and now this is my homepage on @YouTube WTF

    下の動画も24日現在削除されていた。「Toys AndMe」チャンネルによるもので、7,700万回視聴された。

    また、「Sis vs Bro」チャンネルが投稿したこちらは、「BAD BABY RONALD GROWS BIG(困った赤ちゃんRONALDが大きくなった)!!!!!」というタイトルのもの。

    報道やブログがYouTube内の不快な子どものコンテンツを取り上げたことで、最近、YouTubeに特に注意が向けられている。

    finding out that one of the most popular channels on YouTube (and especially on YouTube Kids) is a child abuse feti… https://t.co/cLoP7NrKhy

    オンラインバイラルメディアMediumに今年初めに投稿された文章「Something Is Wrong on the Internet(インターネット上で何かがおかしくなっている)」の中で、作家のJames Bridleは、YouTubeでのキッズエンターテインメントの奇妙さと広がりについて分析している。

    彼は特にToyFreaksについて、子どもを狙って乱れたコンテンツを作成するチャネルだと述べている。

    「保育園のリズムや色の学習と同じく、Toy Freaksは気持ち悪い場面や、また多くの視聴者が虐待や搾取スレスレと感じる活動に特化している。完全に一線を越えてしまっているわけではないとしても、子どもが嘔吐していたり痛がっているビデオが含まれているのです」と同氏は書いている。

    YouTubeのキッズアプリ上の問題ビデオを懸念する親の声も ニューヨークタイムズに上がっている。

    彼らによると、アニメ化されたキャラクターの乱暴な演出といった一部のクリップが、フィルターに検出されずに通過してしまっている。

    しかし、YouTubeの家族向け・学習コンテンツのグローバル部門長であるMalik Ducardは、不適切なビデオが「干草の山の中の針」であるとニューヨークタイムズに語った。同氏は、YouTubeキッズビデオで不適切なコンテンツを見つけたらフラグを立てるよう親に奨励した。

    「家族にとって使いやすいアプリにすることは、私たちにとって非常に重要です」と同氏は話している。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。